F1 Topic:未だまとまらないレッドブルとポルシェの契約。命運を握るのは共同オーナーか
ヨーロッパのレースニュースサイトである『Grandprix.com』が、「ポルシェとレッドブルの契約が、破談になる可能性がある」と報じた。
その報道によれば、「クリスチャン・ホーナー代表とヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、レッドブル社オーナーであるディートリッヒ・マテシッツおよびチャルーム・ユーウィッタヤーに対し、ポルシェとの交渉を打ち切り、ホンダに対して提携継続を依頼するよう、説得を試みている」という。
その話を聞いて、思い出されるのが、今年の7月に行われたオーストリアGPだ。このレースにはホンダの首脳陣が訪れていた。
訪れたのは、本田技研工業の三部敏宏社長、本田技研工業の倉石誠司会長(前副社長)、HRC(ホンダ・レーシング)の渡辺康治社長、HRCの浅木泰昭四輪レース開発部部長の4名だ。その理由を三部社長は「昨年、コロナ禍で現場に来ることができなかったので、レッドブルさんに感謝を伝えるため」だと語っていた。もちろん、それは本当だったのだろうが、それだけが理由だったのか?
というのも、ホンダの首脳陣がサーキット入りするのを入り待ちしていたとき、もうひとりのVIPもサーキット入りしていたからだ。それがチャルーム・ユーウィッタヤーだ。
このとき、筆者はホンダの首脳陣が来たと勘違いして写真を撮っていたのだが、出迎えたレッドブルのスタッフが非常に不機嫌な態度で撮影を邪魔したのを覚えている。いま考えれば、レッドブルとしてはポルシェには知られないよう隠密にチャルーム・ユーウィッタヤーと会談したかったのだろう。
『Grandprix.com』によれば、夏休み期間中にホーナーはチャルーム・ユーウィッタヤーと再度話し合いを行い、ホンダとの関係継続に理解を示してほしいと懇願したという。
それが本当なら、『Grandprix.com』が報じるように、ポルシェとレッドブルの契約が、破談になる可能性は十分考えられる。なぜなら、チャルーム・ユーウィッタヤーが持っている株式は、レッドブルのトップ、ディートリッヒ・マテシッツよりも保有率が高いからだ。
オーストリア人のマテシッツは、1984年にチャルーム・ユーウィッタヤーの父でレッドブルの生みの親であるチャリアオ・ユーウィッタヤーとパートナーシップを結び、1987年に『レッドブル』を発売。そのとき、ふたりはそれぞれ49%の株式を取得し、残りの2%をチャルームが所有した。その後、2012年に創始者のチャリアオ・ユーウィッタヤーが亡くなると、その株式を受け継いだのが息子のチャルーム・ユーウィッタヤーだった。つまり、チャルーム・ユーウィッタヤーの保有率はマテシッツの49%よりも高い51%。
いまレッドブルとポルシェ、そしてホンダの未来の命運を握っているのは、チャルーム・ユーウィッタヤーなのかもしれない¥。
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