ルール変更や予算超過……2022年のF1はコース外の”政治的バトル”も多かった? メルセデス代表は「これが通常運転」

 

 メルセデスのトト・ウルフ代表は、2022年シーズンのルール変更や予算超過、レースコントロールなどを巡るコース外の政治的な闘争について、”通常運転”だったと振り返った。
 メルセデスの2022年マシンである『W13』は、ポーパシングの問題に苦しみ、レギュレーション変更で最も大きな打撃を受けたチームのひとつだった。
 問題はエスカレートし、FIAは安全上の理由から2023年の空力規則の調整に踏み切ったが、レッドブルを含む一部のチームはこれに反対していた。
 10月には、レッドブルが2021年の予算制限に違反していたことが発覚。これにライバルたちはより厳しいペナルティを求めるなど、激しい騒動に発展した。
 また、FIAのレースコントロールに対する議論も定期的に行なわれ、最終的にレースディレクターの交代制は廃止となるなど、2022年もF1ではコース外で様々な政治的軋轢が生じていた。
 それらをどう考えているかと訊かれたウルフは、チームが自分たちの立場を守ろうとする中で当然のことだと考えているようだ。
「それは自分たちの組織を守ることであり、みんなそうしていると思う。優位なポジションを維持したり、守ろうとしたり、政治の行末を理解しようとするんだ」
「それはごく普通のことだと思う。ゲーム性が高いとか低いとかいうことはないと思う。みんな自分の基準で生きている」
「いつも通りのビジネスだったと思う」
 2021年はルイス・ハミルトンとマックス・フェルスタッペンが激しくチャンピオンを争ったこともあって、それぞれの所属チームであるメルセデスとレッドブルはコース外でも激しいバトルを展開した。
 一方で、2022年はメルセデスが新レギュレーションを理解するのに苦労し、レッドブルと優勝を争うことはできなかった。レッドブルの予算超過が報じられた際も、メルセデスはそれほど攻撃的ではなく、フェラーリのローラン・メキーズやマクラーレンのザク・ブラウンがその役割を担った。
 ウルフは、レッドブルに科されたペナルティについて、レッドブルにとっては重すぎるだろうと理解を示しながらもメルセデスにとっては軽すぎるとコメント。今後の違反を抑止するガバナンスに焦点を当てていた。
「競技上のペナルティや金銭的なペナルティのみならず、明らかに現実世界での大きな風評被害につながる」
「パートナーやチームはそれに引きずり込まれたくない。それがどのチームもラインを踏み外すつもりがないと信じている理由だ」
「我々は透明性があって、コンプライアンスに則った世界に生きている。あらゆるものにガバナンスが必要であり、スポーツにもそれが必要だ。スポーツ全体としては、これが本当の意味での成果なのだ」
 
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