脱いだらすごいんです……特別なエンジンを備えたF1。羊の皮を被った狼(いや、狼の皮を被った羊も?)的マシン5選

 

 現在のF1は、搭載される動力源が厳しく規定されている。排気量は1600cc、気筒数は6気筒でレイアウトが90度V型……これにターボとハイブリッドシステムを取り付ける……ざっくり言うとそんな格好だ。
 しかし以前は排気量は規定されていたとしても、気筒数やレイアウトは自由、ターボでも自然吸気でもよかった。そのため、V6、V8、V10、V12と、メーカーがそれぞれ最適解を導き出し、互いに競った時代もあったのだ。
 ただV6とかV12といった型式は、まだまだ常識の範囲内。これ以外にも滅多にお目にかかれないエンジンを搭載したF1マシンが走ったことがある。中でも、レシプロエンジンではない内燃機関を備えたマシンもあったのだ。
 本稿ではそんな唯一無二の動力源を備えたマシンを紹介していこう。
■ライフL190:なんとW12エンジン!

 1990年のF1を走ったライフL190。そのマシンに搭載されていたエンジンは、まさに度肝を抜く代物だった。
 前述の通りF1エンジンはV型にシリンダーが並ぶのが一般的。中には水平対向や直列というモノもあった。
 ただこのライフのエンジンF35はW型。つまり4気筒ずつ、3列に並べたのだ。こうすることで、エンジンの全長を短く、コンパクトにすることができたのだ。
 その構想自体は正しかったのかもしれないが、戦闘力は伴わなかった。フェニックスで行なわれた開幕戦アメリカGPにデビューしたが、予備予選落ち。その後第12戦イタリアGPまで、一度も予備予選を通過することができなかった。チームはこのW12気筒エンジンの使用を諦め、ジャッドV8に換装したが、それでも戦闘力は伴わず、予備予選落ちが続いた。
 エンジンを変えても戦闘力が向上しなかったということは、シャシー側の問題もあったかもしれない。もっと良いシャシーに積まれていたら、一体どうなっていたのだろうか……。
■ロータス56B:航空機由来のガスタービンエンジン搭載!

 1967年のインディ500に登場したSTP-パクストン・ターボカーには、特殊なエンジンが搭載されていた。なんとプラット・アンド・ホイットニー・カナダ社製の、航空機用ガスタービンエンジンが積まれていたのだ。
 この翌年、ロータスもこのガスタービンエンジンを採用してインディ500に参戦。一時首位を走るなどしたが、レース終盤にトラブルに見舞われ、リタイアとなった。そしてこの年限りでインディ500でガスタービンエンジン車を走らせるのは禁じられてしまい、活躍の場を失ったかに見えたが、ロータスはこれを1971年のF1に走らせることを決めた。
 ただ、実際にF1を走ったのは3戦のみ。初戦はリタイア、2戦目は規定周回数不足となった。3戦目はあのエマーソン・フィッティパルディがドライブ。1周遅れながら8位完走を果たした。
 ガスタービンエンジンは大量の燃料を必要とするため、F1マシンとして走るには燃料タンクが不足していた。さらに重量も重く、戦闘力は足りなかった。
■BRM …読み続ける

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