ハース代表、”ナンセンスな”レースコントロールに不満残る「改善の余地が大いにある」
ハースF1チームのギュンター・シュタイナー代表は、新しいシーズンに向けて、F1のレースコントロールには改善の余地がたくさん残っていると苦言を呈している。
F1の統括団体であるFIAは、2021年の最終戦アブダビGPに関連する論争を受け、レースコントロールを再構築。レースディレクターをふたりで分担するなどの変更を行なった。
しかしレースコントロールの決定は2022年シーズンを通して大きな話題となり、特にマシンの修理を命じるオレンジボール旗の運用、トラックリミットの取り締まり、日本GPでの回収車両の配備を巡る問題など、批判も多かった。
シーズン終盤は、レースディレクターの交代制は廃止されていたが、FIA会長のモハメド・ベン・スレイエムは2023年もレースディレクターを固定せず、複数の関係者がこの役割を担うことになると示唆している。
また、FIAはF1マネジメント体制の見直しの一環として、スティーブ・ニールセンを新スポーティングディレクターに迎えた。多くのチームでチームマネージャーやスポーティングディレクターとして活動してきた経験豊富な人物を起用し、体制を強化したのだ。
しかしシュタイナーは、レースコントロールについて改善の余地が多いと不満を隠していない。
「私の考えでは、まだやるべきことはたくさんある」とシュタイナーはシーズン終了後に行なったインタビューでmotorsport.comに語った。
「すべてが解決されたわけではないんだ。レースコントロールでは、もっとうまくやるためのマージンがたくさんあると思う」
「(2022年の)終盤のレースでは、対処すべきいくつかの決定がなされた」
ハースは昨年、フロントウイングのダメージが原因で3度のオレンジボール旗の掲示を受けた。アメリカGPでは、フェルナンド・アロンソ(当時アルピーヌ)がダメージを受けたままマシンを走らせたとして抗議。裁定の一貫性について追求した。
その後、FIAはマシンのダメージに対して”過剰反応”があったことを認めており、より強い措置を取るようになったきっかけとしてアゼルバイジャンGPで角田裕毅のマシンのリヤウイングが破損し、アルファタウリがそれをテープで補修して走らせたことを挙げている。
シュタイナーはオレンジボール旗によってハースが「ひどい影響を受けた」と語り、それを「まったくナンセンスだ」と指摘した。
「こんなことはあってはならないことだ」と彼は言う。
「我々はペナルティを受け、そして彼らはルールを変えた。他の誰もペナルティを受けたことはなく、ルールが変更された」
「(アメリカGPでの抗議は)ルールが皆に同じく適用されていないため、システムには欠陥があるという原則に基づくものだった。レースコントロールの対応は良くなかったと思う」
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