スーパーフォーミュラの『SF23』が自動運転でレース!? 2024年に中東で開始予定の自律レース車両に採用

 

 全日本スーパーフォーミュラ選手権を開催する日本レースプロモーション(JRP)は、中東初の自律走行レースリーグの車両として、スーパーフォーミュラの『SF23』が採用されることが決まったと発表した。
 この自律走行レースは、アラブ首長国連邦アブダビにおける先端技術研究機関であるUAE先進技術研究評議会(ATRC)においてプログラム開発を担うASPIRE社が、2024年の立ち上げを目指している世界最大の自動運転レーシング・リーグだ。
 自律走行レースと人工知能(AI)の研究開発というチャレンジを通じ、将来のモビリティの可能性を広げることを目指すASPIRE社に共感し、JRPはASPIRE社とパートナーシップを結び、様々なサポートを実施する。
 またJRPは今回のプロジェクトをきっかけに世界のモータースポーツファンにスーパーフォーミュラの魅力を広めるため、専用アプリ『SFgo』などのメディアを通じ、グローバルへの発信を強化していくという。
 F1とも比較されるほどのスピードと高い安全性を誇るスーパーフォーミュラのマシンは、これまでも世界から注目されてきた。今季からは、カーボンニュートラルの実現とエンターテインメントの向上に向けた取り組みとして、新パッケージの『SF23』が導入される。
 SF23は、ボディワークに麻由来の天然素材を使ったバイオコンポジットを採用しCO2排出量を削減。接近戦でドライバーの力を発揮できるクルマづくりを目指し、空力の見直しが図られている。
 こうした取り組みが評価され、ASPIREへの独占供給が決まったSF23。自動運転レース用の装備が追加され、自動運転の限界と高速化の追求においても活躍することになる。
 発表に際しATRC事務局長のファイサル・アル・バンナイは、次のように語った。
「今回のアブダビ自動運転レーシング・リーグの発足を誇りに思っている。自動運転レースは、輸送とモビリティの未来を変革する大きな可能性を秘めており、その勢いは増すばかりだ。アブダビ自動運転レーシング・リーグの発足により、自動運転車の新たな基準ができ、自動運転車が主流になるにつれて直面する未知の課題に対して、先取りし準備できるはずだ。本レーシング・リーグは、モータースポーツファンのための新たなコミュニティを構築するだけでなく、オープンな開発モデルを取り入れ、より迅速な進歩、検証、イノベーションを支援する。機械学習と強化学習は、自動運転車に関するデータ収集と技術開発のカギとなるだろう」
 また、JRPのの代表取締役社長である上野禎久氏は、次のように述べている。
「1973年にスタートした日本のトップフォーミュラシリーズにおいて、今回のASPIREグループとのパートナーシップは、その50年の歴史を通じ積み上げてきた技術とノウハウがグローバルに評価された証であり、大変名誉なことだと喜びを感じています」
「今回採用されるSF23は、モータースポーツとして魅力的なマシンであることに加え、カーボンニュートラルに向けた大きなチャレンジの象徴でもあります。そのマシンが更に自律走行車レースという次のチャレンジの機会を得ることとなり、今回のパートナーシップが、未来のモータースポーツに新たな価値を加えることを確信しています」
 
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