歴史あるサーキットでもF1カレンダー残留の保証はなし「留まりたいなら正しいことをやる必要がある」とドメニカリCEO
F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは、長年にわたってF1を開催してきた人気の会場も、将来のF1カレンダーに留まるにあたっては、その歴史、地位、名声にあぐらをかくことはできないと警告している。
この20年でF1の年間開催数は16戦から23戦に増加したものの、近年はホッケンハイム、ニュルブルクリンク、ポール・リカール、イスタンブール・パークといった多くのコースがスケジュールから外されている。イモラ、ザントフォールトなどファンに人気のコースはカレンダーに復帰したばかりだが、モンテカルロ、スパ・フランコルシャン、モンツァ、シルバーストンといったコースは、現在脱落の危機にあると言われている。
これはF1人気が高まったことから、世界中でグランプリレースの需要があるためで、最近ではサウジアラビア、カタール、またアメリカでの2レースが追加された。ドメニカリは、老舗のサーキットが長期的にスケジュールに残りたければ、新たな市場の最先端のサーキットと肩を並べるために、設備投資を継続してサービスを高めなければならないことが示されていると述べた。
「現在の大陸の組み合わせは素晴らしいものだ」とドメニカリは、今週行われたリバティ・メディアの投資家向け電話会議で語り、来シーズンに予定されている24戦は「適切な数字だ」と述べた。F1がヨハネスブルグ近郊のキャラミ・サーキットと契約間近であるといううわさにも言及し、「我々がアフリカへ行く機会を今も検討していることは周知の事実だ。この大陸だけが欠けている」と語った。
一方でドメニカリは、特に素晴らしい変化のある将来を見通す土台を持つ伝統的なサーキットが、「過去ばかりを見ているとしたら芳しいことではない」と話した。
「過去100年にわたってレースを開催してきたから将来が保証されると尊大に考えていたとしても、正直なところそれだけでは十分ではない。ここ数年でこうした歴史的なコースへの印象が変わり、彼らは様子が違ってきたことを認識しているのは確かだ」
「我々はごまかすようなことはしないし、彼らに対し高い透明性を持っている。誰もが理解していることだが、カレンダーに留まることを望むなら、彼らは彼らにとって、そしてF1にとって正しいと考えることをやる必要があると、我々は言っているのだ」
F1を真の地球規模のワールドスポーツとするために、中東とアジアで新たな市場を開拓していることは広く受け入れられているが、ひとつの国で3つのレースを開催することはなかなかの困難だった。アメリカは、国内で発展したNASCARやインディカーなどのモータースポーツ選手権があることから、これまでF1にとって参入が厳しい市場であった。アメリカGPは2000年から2007年までインディアナポリスで8回開催されたが、永久的なホームを見つけたのは2012年にテキサス州オースティンにサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)がオープンした時だ。
しかし昨年は初のマイアミGPが開催され、今年はラスベガスGPもスケジュールに加わった。ドメニカリは、アメリカで1年に3回のレースを開催することについて、国内のF1市場を飽和させる危険はないと主張した。
「アメリカ国内だけでなく、すべてのレースにはそれぞれの個性、クオリティ、ファン層がある。私はカニバリゼーションが起きているとは考えていない。誰もが、あらゆることが、レースが、それぞれに違っているのだ。そこに問題はないだろう」
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