ペレスがフェルスタッペンとの直接対決を制する。角田裕毅は連続入賞果たす【決勝レポート/F1第4戦】
4月30日、2023年F1第4戦アゼルバイジャンGPの決勝レースが行われ、セルジオ・ペレス(レッドブル)が今季2勝目、自身通算6勝目を飾った。2位にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、そして3位にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続いた。角田裕毅(アルファタウリ)は10位でチェッカーを受け、2戦連続の入賞を果たした。
アゼルバイジャンの首都バクーに特設されたバクー市街地サーキットを舞台に開催された第4戦。今大会ではC3タイヤがハード(白)、C4タイヤがミディアム(黄)、C5タイヤがソフト(赤)と、もっとも柔らかめのコンパウンドが割り当てられている。
スタートタイヤは、18番手スタートのニック・デ・フリース(アルファタウリ)、ピットレーンスタートとなったエステバン・オコン(アルピーヌ)、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)の3台がハード。そのほかのドライバーはミディアムを選択。現地時間15時(日本時間20時)より開始されたフォーメーションラップを経て、気温22度、路面温度は3度、湿度50%というコンディションのもと、51周の決勝レースはスタートを迎えた。
ターン1は大きな接触もなく、ルクレール、フェルスタッペン、ペレス、カルロス・サインツ(フェラーリ)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)と、上位6台の順位はグリッドから変わらず。7番手にランス・ストロール(アストンマーティン)、8番手にランド・ノリス(マクラーレン)、9番手にジョージ・ラッセル(メルセデス)が浮上する一方、8番手スタートの角田はスタートで10番手まで順位を下げてしまう。
ルクレールはクリーンエアのなか、ファステストを更新しつつレースをリード。ただ、フェルスタッペンとのギャップは1秒以上に広げることはできず、4周目のターン1でDRSを使ったフェルスタッペンが容易くルクレールをかわしトップに浮上する。
トップに浮上したフェルスタッペンは4周目のセクター3で早々にルクレールに対し1秒以上のギャップを築き、そこからも大きくリードを広げにかかる。一方2番手ルクレールの背後には、スプリントウイナーのペレスが接近する。
そして6周目のターン1でペレスがルクレールを攻略。これでレッドブルがワンツー体制を構築する。そんななか、17番手スタートのピエール・ガスリー(アルピーヌ)が5周目終わりに、そして8周目終わりに10番手角田、11番手オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が同時ピットイン。角田はピアストリの前でコースに復帰しハードタイヤに交換した。
そんななか10周目のターン7でデ・フリースがマシンを止めた。これでセーフティカー(SC)が入ると見越したトップのフェルスタッペンが10周目終わりにピットイン。その直後の11周目よりSCが導入され、ペレスを筆頭に続々と上位勢がピットイン。フェラーリ勢、アストンマーティン勢はダブルピットを敢行するも、ペレス、ルクレールがフェルスタッペンの前でコース復帰を果たすこととなった。
これで順位はペレス、ルクレール、フェルスタッペン、サインツ、アロンソ、ラッセル、ストロール、オコン(ピットインせず)、ヒュルケンベルグ(ピットインせず)、ハミルトン、ノリス、角田というトップ12に。
レースは14周目に、全車がハードタイヤを装着するなか再開された。ターン3でフェルスタッペンがルクレールをかわし2番手に浮上。さらに、続くターン4ではアロンソがサインツをかわし4番手に浮上する。角田はリスタートで一時ピアストリにかわされるも、セクター2でポジションを取り戻し12番手で15周目を迎えた。
トップのペレスはファステストを更新し、15周目突入時には1.3秒までギャップを広げ、フェルスタッペンをDRS圏外に。ただ15周目には2番手フェルスタッペンがファステストを更新。じわりじわりとペレスとの間合いを縮めつつ、レッドブル2台がルクレール以下を大きく引き離す展開に。
一方、3番手のルクレールの背後にはアロンソが接近。そして5番手サインツの背後にはストロールと、フェラーリとアストンマーティンによる表彰台をかけたポジション争いが続く。そんななか、19周目にはアロンソが「僕のブレーキバランスをランスに教えて、きっとためになる」と無線を飛ばす場面も。ただそのストロールは19周目のターン16で僅かにコースオフ。これで7番手のハミルトンがストロールの急接近し、20周目のターン1でハミルトンが6番手に浮上する。
21周目、レッドブルの2台はルクレールに対し8秒のギャップを築く独走状況に。1周あたり1秒離されるルクレールだが、4番手アロンソに対しては2.7秒とこちらもじわじわとギャップを広げる。
レースも折り返しを過ぎた26周目、トップのペレスとフェルスタッペンの差は1.4秒とリスタート時点からほぼ変わらず。ただ、フェルスタッペンとルクレールの差は12秒まで広がる。そんななか、まだタイヤ交換を実施していない9番手オコンのペースに後続が付き合わされるかたちとなり、オコンから15番手ケビン・マグヌッセン(ハース)までの7台が数珠繋ぎの隊列を形成することに。角田もこの隊列の中で12番手となり、なかなかポジションアップの機会が訪れない。
30周目、ペレスが1分45秒台をキープするなか、フェルスタッペンのペースが一時1分46秒台にまでダウン。2台の差は2.6秒まで広がる。フェルスタッペンはデフとエンジンブレーキのバランスへの不満をチームに無線で伝える。その無線の裏でペレスが1分45秒394と30周目にファステストを更新。
ただ、フェルスタッペンも31周目に1分45秒348とファステストを更新する。しかし、32周目にはペレスが1分45秒311でファステストを更新するという、リスタートから始まった2台のタイム合戦は、レース終盤も続く。そんななか、34周目にはペレスはターン15への進入で右側のウォールに僅かにヒットする場面もみせる。ダメージも心配されたがペレスは35周目に1分44秒869とフェルスタッペンのファステストを0.3秒上回る。
37周目、周冠宇(アルファロメオ)がガレージイン。そのままリタイアとなりコース上は18台の戦いに。一方首位争いはここでペレスがさらにペースアップ。38周目時点でフェルスタッペンとのギャップを3.5秒まで広げる。
ただ、ペレスとフェルスタッペンのファステスト合戦に1分44秒670をマークしてルクレールが加わる。また、同じく43周目にはアロンソが1分44秒673をマークするなど、各車がスパートをかける。
46周目のターン7でノリスがスタートから同じタイヤで周回を続けるヒュルケンベルグをかわし10番手に浮上。続いて角田は48周目のターン1でヒュルケンベルグをかわし11番手に浮上する。その角田は47周目のセクター3でその時点でのセクターベストを記録している。
51周目に最後までピットストップを先延ばしにしたオコン、そしてファステスト狙いのラッセルが50周目にピットに入り、角田が10番手に浮上。前戦オーストラリアGPに続く入賞が見えてきた。
51周目を終え、ペレスがスプリントに続くバクーでのトップチェッカーを受け、今季2勝目、自身通算6勝目となる勝利を飾った。2位にピットタイミングでトップを逃すかたちとなったフェルスタッペン、3位にポールシッターのルクレールが続いた。
4位は今季初めて表彰台を逃したアロンソ。5位にサインツ、6位にハミルトン、7位にストロール、8位にラッセル、9位にノリスが続き、10位の角田までがポイント獲得となった。なお、ファステストラップはラッセルがファイナルラップにソフトタイヤで記録した1分43秒370となる。
次戦となる2023年F1第5戦マイアミGPは5月5日〜7日に、アメリカのマイアミ・インターナショナル・オートドロームで開催される。
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