【角田裕毅F1第7戦分析】“戦える自信”を得て臨んだQ2ではミスの後に気持ちをリセット。Q3進出でひと際大きな声援も
通常のサーキットではガレージ裏にパドックがあるが、モナコのパドックはガレージから橋を渡ってラスカスの外側にあるハーバー脇にある。その一角に設けられた取材用のミックスゾーンに帰ってくるドライバーたちに、フェンス越しに観客たちが声援を贈っていた。
そのなかでひと際大きな声援で出迎えられていたのが、角田裕毅(アルファタウリ)だった。その声援に笑顔で応え、時には手を振り、あるいはガッツポーズを披露するほど、今年のモナコGPの予選後の角田は満足した表情をしていた。
なぜなら、モナコGPの舞台であるモナコ市街地サーキットは、マシンの性能よりもドライバーの腕前が試されるドライバーズサーキット。その予選で角田は3度目にして初めてトップ10入りした。
ただし、フリー走行3回目の段階では、このような結果は想像できていなかった。
「チームがすごく頑張ってくれて、クルマは金曜日から改善はされていましたが、そこまで大きな改善は感じられなかったので、フリー走行3回目を終えた段階ではまだQ3に行けるかどうかわかりませんでした」
午後4時に開始された予選。「さらにうまくまとめ上げないといけない」(角田)という気持ちで臨んだQ1では、最後のアタックでなんと一時トップタイムをマークするスーパーラップを披露した。最終的にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に抜かれたものの、2番手でQ1を突破した。
「すごくよかったです。あれでQ1を突破したわけですけど、Q2でも戦える自信を得て、僕もあそこからギアをひとつ上げてペースアップすることができました」
そのQ1の最後のアタックではセクター1が全体ベストだった。どの部分でペースアップできたのか?
「カジノ前あたりでうまく攻める走りができていたと思います」(角田)
しかし、Q2では1セット目のタイヤでのアタックでシケインでタイヤをロックさせて、アタックをやめただけでなく、タイヤを交換するためにピットインせざるを得なかった。
シケインでのミスは前日のフリー走行でも犯していた。最後のアタックに向けてプレッシャーはなかったのだろうか?
「ピットインして気持ちをリセットしました。あのときはブレーキングの調子がよくなくて、ターン1とかでフロントがロックアップしやすい状態だったので、ピットにいる間にアプローチを変えて、ブレーキをウォームアップさせるためのラップを1周増やすことにしました」
ミックスゾーンでの取材中にも、多くのファンから祝福を受けていた角田。そのなかには、かつてフェラーリ・ドライバーとしてチャンピオンシップ争いを演じたフェリペ・マッサからの祝福もあった。
「うごくうれしいし、何より今日はアタックすることを楽しむことができました」と、この日の予選を振り返った角田。日曜日のレースでは、日本とイタリアのファン、そしてモナコにいる観客をさらに楽しませてほしい。
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