F1カタールGPで発覚したパンクの危機……2005年アメリカGP“インディゲート”以来F1史上最大のタイヤドラマの背景とは

 

 F1カタールGPではタイヤにまつわる急転直下の出来事が発生。タイヤへのダメージが想定以上だったことを受けて、スプリント・シュートアウトに先立って練習セッションが追加されることとなり、決勝レースでは3ストップが義務付けられる可能性も浮上している。 タイヤにまつわるドラマといえば、2005年のF1アメリカGPを思い出す人も多いだろう。 インディゲートとも呼ばれるこの事件では、ミシュランタイヤを履くトヨタのラルフ・シューマッハーがプラクティスでタイヤバーストによって大クラッシュ。タイヤに構造上の問題が見つかり、ミシュランタイヤ勢はフォーメーションラップを走っただけでリタイアすることを選択した。結果としてフェラーリ、ジョーダン、ミナルディの計6台のブリヂストンタイヤ勢のみがグリッドに並ぶという、F1史に残る未曾有の事態となった。 タイヤ戦争が行なわれた当時とは異なり現在はピレリによるワンメイク制のため、カタールGPでの問題は全チームに影響を及ぼした。FIAはスプリント・シュートアウトを前に緊急時対応策を講じた。 この問題が明らかになったのはカタールGP初日の夜、ピレリがFP1終了後にチームから返却されたタイヤの分析を行なった後のことだった。 タイヤに目に見える問題はなく、FP1と予選セッション後にも各チームからピレリに問題が報告されることはなかった。 いつも通りのプロセスとして、ピレリはタイヤをカットしてサンプルを回収し、より詳細な検査を実施。そこで20周以上周回を重ねた複数のタイヤに問題が発見されたのだ。 この件はすぐさまFIAに連絡が入れられ、シングルシーター部門の責任者を務めるニコラス・トンバジスがタイヤの状況を確認し、対応策が練られた。 FIAから発表された声明では、問題について次のような説明が行なわれた。「多くのタイヤにコンパウンドとカーカスコードの間のサイドウォールに剥離した形跡が確認された」「FIAとピレリの見解では、これらのタイヤでかなりの周回数を重ねると、タイヤの円周方向にダメージが生じ、空気が抜ける症状が発生する可能性がある。ラップ数の少ないタイヤを分析したところ、問題の程度はかなり軽減されていた」 GPDAのチェアマンを務めるアレックス・ブルツは、この問題の深刻さを示すため、特別会議としてドライバーたちを招集し、安全への影響について話し合った。 …読み続ける

F1&雑談
小説
開発
静岡

小説やプログラムの宣伝
積読本や購入予定の書籍の情報を投稿しています
小説/開発/F1&雑談アカウントは、フォロバを返す可能性が高いアカウントです