【コラム】世界にはベッテルが必要だ。気候変動に人権……「レーサーならレースだけに専念してろ」は悪魔の呪文

 

 F1ドライバーたちは、世界中を転戦する世界最高峰のアスリート20名として、ある種の移動手段に慣れ親しんでいる。彼らにしてみれば、ファーストクラスの航空券やプライベードジェットでの移動は当たり前……エリートとして浮世離れした生活を営んでいる、そう世界から目されるのは当然のようにも思える。
 しかしF1マイアミGP後の5月12日(木)、イギリス・フェルサム発ウォータールー行きのサウス・ウェスタン鉄道の1516便にはある男が乗っていた。青と緑のチェック柄のシャツを着た、髪がモジャモジャの男だ。
 その場にあなたが居合わせたなら、その男の横を平然と通り過ぎたことだろう。会話も挨拶もせずに……ロンドンでは当たり前のことだ。
 しかしその男こそが、4度のF1世界チャンピオンで今季もアストンマーチンからF1を戦うセバスチャン・ベッテルだった。
 世界チャンピオンに”相応しい”交通手段とは言い難いが、この日彼は特別な使命を手にしていた。それはF1とは全く関係のないことで、これまでで最も大きな舞台と言えるかもしれないモノだった。
 彼が向かった先は、BBCの政治討論番組『Question …読み続ける

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