レッドブル、アゼルバイジャンGPでのポジション入れ替えは「厳密にはチームオーダーではない」

 

 F1アゼルバイジャンGPの決勝レース序盤に首位を走っていたのはレッドブルのセルジオ・ペレスだったが、後にチームメイトのマックス・フェルスタッペンに首位のポジションを明け渡した。このポジション明け渡しの際にはペレスに対し「戦わないように」とチームから無線で指示が飛んだ。
 これについてレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、このポジション入れ替えは、厳密にはチームオーダーではなかったと説明する。
 スタートでポールポジションのシャルル・ルクレール(フェラーリ)を抜き首位に立ったペレスは、快調なペースで周回を重ねていた。しかし徐々にリヤタイヤのグレイニングに苦しみ始め、チームメイトのフェルスタッペンが接近。チームはペレスに対して「戦わないように」と指示し、フェルスタッペンを先行させた。
 フェルスタッペンは結局そのままチェッカーまで走り切り優勝。今季5勝目を挙げた。ペレスは2位だった。
 レッドブルがポジションを入れ替えたのは、フェルスタッペンのドライバーズランキングにおけるリードを拡大するための戦略だったと考える人もいる。しかしホーナー代表は、レースのその段階ではフェルスタッペンの方がペレスよりもはるかにペースが良かったため、ふたりがリスクを冒してポジションを争うことは意味がなかったと説明する。
「今回は厳密には、チームオーダーではなかったと思う」
 ホーナー代表はそう語った。
「それは単純に、速いクルマと遅いクルマがいたということだったのだ」
「マックスはその時点で、ペースにおいてかなりのアドバンテージを持っていた。チェコ(ペレスの愛称)はリヤタイヤに、かなり酷いグレイニングを抱えていたからね。だからチームにとっては、『1台のマシンの方が速い場合はそれを認めて、チームにとって最良の結果を得ることに集中しよう』という問題だったんだ」
 2018年のアゼルバイジャンGPでは、レッドブルのドライバーが同士討ち。フェルスタッペンのリヤに、当時レッドブルのドライバーだったダニエル・リカルドが追突し、両者リタイアとなってしまった。この件が、決勝レース前の話し合いの際にも議題に挙がっていたとホーナー代表は明かす。
「ふたりのドライバーのペースの違いは、非常に重要だった。それについては、朝の段階で話し合ったんだ」
 そうホーナー代表は説明する。
「我々は『お互いにレースをしている場合には、スペースを与えるように』というようなことを言った。そして彼らはそれを守ったんだ。なぜなら我々にとって、2018年のことはそれほど昔のことではないからだ」
「チャンピオンシップのこの段階で、フェラーリに対して獲得ポイントを最大化するためには、ドライバーふたりがフェアに戦うことが非常に重要だった。現時点では非常に速いクルマを持っていることは分かっているが、物事がどれほど早く移り変わるかということを、これまでにもたくさん見てきた。だからチームとしては、最大限のポイントを獲得することを優先する必要があったんだ」
 ホーナー代表は、ペレスが今回の状況を受け入れたことを称賛すると共に、ペレスの方がタイヤのグレイニングに苦しんだ理由は、セットアップが予選寄りだったことが影響している可能性があると考えている。
「チェコは成熟した人物だと思う。彼は全体像を把握し、チャンピオンシップが非常に長いことを理解している」
 そうホーナー代表は言う。
「しかしおそらく、今週末の彼のリヤのセットアップは、予選パフォーマンスに重きが置かれていたのではないかと思う。それは一度確認する価値があるだろう」
「マックスは明らかに、レースではチェコよりも良い状態だったと思う」
 
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