プーチン擁護のバーニー・エクレストンにF1が反応。元最高責任者のコメントは「F1の価値観とは真逆」
かつてF1の最高責任者を務めるなど、長らくF1の重鎮として君臨したバーニー・エクレストンは先日、イギリスITVの番組の中で、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアのウラジーミル・プーチン大統領を擁護するような発言をし、波紋を広げた。
現在91歳のエクレストンはインタビューの中で、「それでも私は彼(プーチン)のことをかばうだろう。痛みを受けないに越したことはないが、それでも私は盾になる」と発言。なぜそう思うのか問われたエクレストンはさらにこう続けた。
「彼が一流の人間だからだ」
「彼は自分のしていることが正しいことだと信じている。残念ながら、彼も私を含めたその他多くの経営者と同じようにミスをすることはある。そしてミスをした時は、そこから抜け出すために最善の策を講じる必要がある」
そしてエクレストンはその後、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が「そもそも戦争を回避することに失敗した」として、彼に対する批判を展開した。
「ウクライナ側の方の人間(ゼレンスキー)は、彼の元々の職業がコメディアンだったと聞いているが、彼はまだその職業を続けたいように思える」
「なぜなら、彼が本当に色んな事について考えていたなら、プーチン氏と対話するのに努力を惜しまなかったはずだ。(プーチンは)分別のある人間だし、しっかりと話をすれば何かできたかもしれない」
多くの人々の命を奪うこととなった軍事侵攻の仕掛け人であるプーチンを擁護するようなエクレストンの一連の発言は世界的な批判を浴びている。2017年にリバティ・メディアがF1を買収して以来、エクレストンはF1の運営からは離れているが、今でもF1界の“ドン”というイメージが強く、知名度も高い。そのためエクレストンの発言がF1全体の見解と捉えられかねないことから、F1は声明を発表する運びとなった。
F1は声明の中で次のように綴り、エクレストンの見解がF1の見解とは全く異なるものであると主張した。
「バーニー・エクレストンの一連のコメントは彼の個人的な見解であり、F1の現代的価値観とは全く対照的なものである」
F1がエクレストンの発言を受けて声明を出す事態に発展したのは、今回が初めてではない。2020年にもエクレストンは、反人種差別デモの際に参加者によって奴隷商人エドワード・コルストンの像が倒された一件について非難し、さらに反差別運動を展開するルイス・ハミルトンについて議論する際に次のようにコメントして世間の反感を買った。
「多くの場合、黒人は白人よりも差別主義だ」
この時、F1は次のような声明を出している。
「人種差別と不平等に立ち向かうために団結することが必要とされる現代において、我々はバーニー・エクレストンのコメントに完全に反対する。そのコメントはF1においても社会においても到底受け入れられない」
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