フェルスタッペンが予選最速! 好事魔多しメルセデスは2台クラッシュ。角田裕毅14番手|F1第11戦オーストリアGP

 

 オーストリアはレッドブルリンクを舞台にF1第11戦オーストリアGPの予選セッションが行なわれ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションを獲得した。
 今回のオーストリアGPは、エミリア・ロマーニャGPに次いで今季2度目となるスプリント形式での開催。そのため、金曜日のフリー走行1回目を終え、スプリントレースのグリッドを決めるノックアウト方式の予選セッションが行なわれた。
 たった60分のFP1では2度の赤旗。十分な走行を各車は行なえないまま予選を迎えることとなった。各マシンが予選で出走した時点で、パルクフェルメルールが適用され、大きくセッティングを変えることができなくなる。
 気温19度、路面温度37度というコンディションの中18分間の予選Q1がスタートすると、序盤からカルロス・サインツJr.(フェラーリ)がターゲットタイムとなる1分6秒363をマークするも、トラックリミット違反によりタイム抹消。代わってトップに立ったチームメイトのシャルル・ルクレールが、1分6秒200を記録した。サインツJr.は続くアタックで2番手につけ、その後ろにはなんとハースの2台とフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)並んだ。
 残り10分というところで、フェルスタッペンやメルセデス勢が最初のアタックを開始。するとフェルスタッペンは1発目から1分6秒097を記録したが、これもトラックリミット違反によりタイム抹消。その前にタイム計測を行なっていたチームメイトのセルジオ・ペレスが、1分6秒143でタイムシートのトップに立った。
 そのタイムをセクター1で全体ベストを叩き出したルイス・ハミルトン(メルセデス)が0.064秒差で超えていったが、再アタックで臨んだフェルスタッペンが上回りトップ。その後、フェラーリの2台がトップタイムを続けざまに塗り替えた。
 残り4分30秒というところでルクレールの1分5秒419が暫定トップタイム。フェラーリ勢とフェルスタッペンのトップ3を除き、17台がラストアタックに向けてコースに再び出た。
 Q1敗退当落線上の角田裕毅(アルファタウリ)は12番手にポジションを上げた一方で、チームメイトのピエール・ガスリーは15番手から上げられず。しかし、ガスリー以下ダニエル・リカルド(マクラーレン)、アストンマーチン勢、周冠宇(アルファロメオ)、ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)も敗退圏内から脱出することができず、ガスリーは0.024秒差でギリギリQ2に駒を進めた。
 トップ10入りを決める15分間のQ2が開始されると、Q1は序盤ガレージに留まっていたフェルスタッペンも含め序盤から続々と各車がコースイン。
 フェルスタッペンが1回目のアタックから1分5秒568をマークするも、そのタイムをハミルトンが1分5秒538で上回り首位に立つ。2回目のアタックでハミルトンは更にトップタイムを更新し、フェルスタッペンやフェラーリ勢に続いてピットへ一度マシンを戻した。
 残り4分を切るとフェラーリ勢がタイムアタックを再開。ルクレールがセクター2、3で全体ベストを記録し1分5秒287でトップへ。ハミルトンも負けじとアタックに出るも1周をまとめきれず、フェルスタッペンに交わされ3番手となった。
 角田やランド・ノリス(マクラーレン)はターン1で飛び出しタイム更新ならずQ2敗退。アルファタウリ勢としてはガスリーも11番手とここで揃ってQ3進出ならず。アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)とバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)もここで姿を消すこととなった。
 一方で、ミック・シューマッハー(ハース)はガスリーから0.009秒差でQ3進出を掴んだ。そのチームメイトのケビン・マグヌッセンも7番手で2台揃ってQ3へ。トップからフェラーリ、レッドブル、メルセデス、アルピーヌ、ハースの5チームが2台をQ3に進めており、予選1発でのマシンパフォーマンス差が比較的色濃く現れた形だ。
 路面温度が35度まで下がる中、ポールポジションを決める12分間のQ3が開始。1回目のアタックでは、フェルスタッペンが1分5秒092でまずトップへ。フェラーリ勢を挟んでペレスが4番手につけた。
 ハミルトンはセクター1で全体ベストを記録しながらもラップ中断。2回目のアタックに賭けたが、ターン7で大きく飛び出しタイヤバリアに激突してしまった。攻めすぎた代償としてマシン右側が大破したものの、幸いハミルトンは無事マシンを降りた。
 これにより赤旗中断となり、残り5分30秒でセッション再開。アロンソとラッセルが先んじてアタックを開始した。
 フェラーリ勢に続いて、フェルスタッペンが残り2分半を前にピットレーンにマシンを出したところでまたも赤旗。ラッセルが最終コーナーでリヤを滑らせコースアウトし、リヤからタイヤバリアにヒットしてしまったのだ。前戦イギリスGPからメルセデス勢は好調が続いていたが好事魔多し。メルセデスはQ3で2台を損傷させた。なお、ラッセルは許可なくコースを横切りガレージに戻ったとしてセッション後の審議対象となっている。
 アタックに向けてコースに出ていたドライバーは再びガレージに戻り、仕切り直し。残り時間が少ないことから、再開前から全8台がピット出口に列をなした。
 アタックに出たルクレールは1分5秒013でフェルスタッペンのタイムを交わしトップに立つも、フェルスタッペンが0.029秒上回る1分04秒984をマーク。唯一の1分4秒台で、レッドブルの”お膝元”でポールポジションを獲得した。
 2番手ルクレールが並び、スプリントのフロントロウを分ける。サインツJr.もフェルスタッペンから0.082秒差と僅差の3番手につけた。
 ペレスは4番手を獲得したものの、Q2でトラックリミット違反の疑いがあるとしてセッション後の審議対象となっている。
 クラッシュに終わったもののラッセルが5番手を維持。6番手にオコン、マグヌッセンとシューマッハーのハース勢を挟んで9番手にアロンソ。Q3中盤でクラッシュを喫したハミルトンが10番手となった。
 これによりスプリントのグリッドが確定。ただここレッドブルリンクは比較的オーバーテイクが可能と言われるサーキットだ。14番手に終わった角田を始め後方のドライバーにも、スプリントと決勝レースで挽回しポイントを掴むチャンスは大いに残っている。
 
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