F1メカ解説|深刻な健康リスクに? ブレーキダストをドライバーが浴びている理由
FIAは、F1ドライバーがブレーキディスクから発生しているダストを吸い込んでいる問題の解決に向けて動き出しており、今後数週間のうちにチーム側と協議する予定だ。
この問題は、オーストリアGPでセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)がマシンを降りた際、顔がダストで黒くなっていたことで明らかとなった。
ベッテルは、長年の課題であった前走車のブレーキダストだけでなく、ブレーキダクトのレイアウトが今シーズンから変更され、自車から発生するダストもドライバーが浴びるようになったことで問題が悪化したと語った。
「今年のブレーキダクトのデザインは、フロントアクスルからブレーキダストがすべて顔に飛んできて、いいことはない」
以前はブレーキダクトから取り込んだ空気をホイールから車両側面に排出していた。この分野はデザインの自由度が高く、各チームが多くのリソースを投じてブレーキダクトやホイールリムのデザインなどの開発を行なった。
しかし、今季から導入したレギュレーションは後方への乱流を生む要因を削除するため、ブレーキダクトのデザインが変更されている。ダクトの出口を、後方に向けることが義務付けられたのだ。しかしこれが、カーボンダストの問題を引き起こすことになったようだ。
標準ホイールとホイールカバーにより、車両側面へ気流を排出するのではなく、前方から取り込んだ空気を後方に向けて出すようになったのだ。
ドラム内の熱と気流をどのように管理するかは、各チームが創造的に解釈できる自由度があり、レッドブルのRB18のように、ブレーキディスクを囲むフェアリングを選択するチームも多い。
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