ハミルトン、ベッテルが若いドライバーの模範となることを願う「自分たちの立場をより”大きなこと”に活かして欲しい」

 

 今季限りでF1を引退することを決断したセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)は、環境問題や様々な差別の問題に対して、F1ドライバーの中でも特に大きな声を上げてきたひとりだ。そのベッテルの姿勢について、もうひとり様々な問題を訴えているルイス・ハミルトン(メルセデス)は、若いドライバーたちの模範になることを期待していると語った。
 2007年にF1デビューを果たしたベッテルは、今季のハンガリーGPの直前に自身のインスタグラムを立ち上げ、そこで今季限りでF1引退することを発表した。そのベッテルは近年、世界が直面している気候変動や環境問題、そしてLGBTQ+や人種差別といった様々な問題を解決すべく、声を上げてきたドライバーである。
 ベッテルは実際に自身で農業を手掛けたり、蜂を保護する活動に参加したり、持続可能燃料を使ってよりクリーンな形でウイリアムズFW14Bをデモ走行させたりと、声を上げるだけでなく行動に繋げてきた。
 ベッテルと同じように、様々な問題に対して活動してきたのがハミルトンである。ハミルトンは、ベッテルの最近の努力が、次世代のドライバーたちが自分達の立場を、さらに大きなことを実現するために活かすことを期待していると語った。
「結果的には、このスポーツだろうがあるいは他のスポーツだろうが、基本的に僕らは、過去の偉人たちを手本にしてきた部分が多いと思う」
 そうハミルトンは語った。
「彼(ベッテル)が次世代にインスピレーションをもたらしてくれることを、本当に願っている。この世代だろうが、あるいは若い世代だろうが、自分たちの立場を活かすことにもっと自信を持ってほしい。そして、彼らと彼らのマシンだけの問題じゃないことを理解することになると思う」
「ここにいることよりも、はるかに大きな何かについて、その立場を活かして欲しい。彼のような人がもっと増えることを、本当に願っている」
「でも彼はレアな存在だからね。そうなることは保証できないけど」
 ベッテルは2010年からはグランプリ・ドライバーズ・アソシエイション(GPDA)のディレクターを務めており、F1の安全基準について議論し、ドライバーの意見を代弁するという重要な役割を果たしてきた。そして他のドライバーたちは、引退した後もベッテルが、同じ役割を続けてくれることを期待していると言われる。
 ハミルトンは、ベッテルがF1引退後の人生でどんなことを計画しているかは詳しく知らないとしながらも、勇気や決意を維持し続けることができれば、その人生は素晴らしいモノになるだろうとも語った。
 ベッテルが引退することで、10年以上F1に参戦し続けているドライバーは、ハミルトン、セルジオ・ペレス(レッドブル)、ダニエル・リカルド(マクラーレン)、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)の4人だけということになる。
 ただハミルトンは、F1ドライバーが全体的に若年齢化したとしても、F1が悪い状態になっていくことはないと信じている。
「僕は、自分たちの仕事が、より良い場所に繋がることを願っている」
 そうハミルトンは語った。
「それが僕はここでやろうとしてきたことであり、セブがここでやろうとしてきたことでもある。つまり、会話を刺激するように着火し、僕らが初めて見た時よりも(F1を)より良いスポーツにして、その場を去るということだ」
「セブはその中で、間違いなく大きな役割を果たしてきたと思う。でも、やるべきことはまだたくさんあるんだ」
「セブが(GPDAの)仕事を今後もするのかどうか、F1の裏方での仕事を続けるのかどうかは、僕は知らない。彼が解説の仕事をするとは思わないけどね」
「でも、今後の彼の人生がより良い場所にあることを願っている。そうじゃなければ、これまでの時間はとても無駄なモノだっただろうね」
 
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