F1アカデミートップのウォルフ、F1で成功する女性ドライバーを見つけるには「中長期的に考えることが必要」

 

 F1アカデミーのマネージングディレクターを務めるスージー・ウォルフは、女性がF1ドライバーになることは可能だと確信しているが、その目標が実現するには「時間がかかる」と警告している。

 F1は、今月初めにウォルフがF1アカデミーのマネージングディレクターに就任したことを発表した。この新たなシリーズは、若手の女性レーサーが上位レベルの国際的なシングルシーターレースに参戦できるよう、育成と支援を行うために創設された。

 自身も元レーサーであり、2014年F1ドイツGPでフリー走行に参加したウォルフは、モータースポーツのジュニアカテゴリーのランクを上がっていきたいと願う若い女性ドライバーたちを待ち受ける困難と挑戦についてすべてを知り尽くしている。

スージー・ウォルフ(ウイリアムズ 開発ドライバー)
2014年F1ドイツGP スージー・ウォルフ(ウイリアムズ 開発ドライバー)

「私は国際的なカートのレベルでレースをしていましたが、どうしたらジュニアフォーミュラにステップアップできるのだろうと思っていました。なぜならそれは大きな一歩なのです。だからこそF1アカデミーはそうした若い女性たちの目標となるだろうと思います」とウォルフは『Sky Sports News』に語った。

「走行時間を積んでいること、そしてトップのジュニアフォーミュラチームに所属しているということは、フォーミュラシングルシーターのキャリアを始め、進歩を遂げるための最高の軌道に乗っていることを意味していると思います」

「走行時間と支援ネットワークは、彼女たちが自分の力を最大限に発揮し、実際にハシゴを上がっていくにあたって、貴重なものなのです」

 F1の歴史では、マリア・テレーザ・デ・フィリッピス、レラ・ロンバルディ、ディビナ・ガリカ、デジレ・ウィルソン、ジョバンナ・アマティの5人の女性ドライバーたちが、少なくとも1回のグランプリにエントリーしている。しかしグリッドまでたどり着けたのは、フィリッピスとロンバルディのふたりだけだ。ウォルフは、新たな名前がその非常に限られたリストに追加されることを確信してはいるが、「期待はコントロールしなければならない」と警告している。

「私は女性がこのレベルでレースをすることが可能だとわかっています。その観点から、特に次の世代に伝えるにあたって、その経験は非常に重要です」

「F1アカデミーの背後にいるF1の完全なサポートを得てパドックにいるということは、周りに適任者と意志決定者がそろっているということです。才能の持ち主が現れたら、彼らがすべてを見て私たちをサポートしてくれるということです」

「私たちは期待をコントロールする必要がありますし、これには時間がかかります。才能ある人材を増やし、意識を高め、次の世代に刺激を与え、参加を望む人がよりアクセスしやすいスポーツにすることが重要です」

「それには間違いなくあと数年かかるでしょう。短期的に本物の成功を収めることはできると思いますが、F1で成功できる少女を見つけるには、中長期的に考える必要があります。つまり忍耐強くならなければなりません」

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