ライコネン、NASCARカップのデビュー戦はリタイアも「F1よりアットホームだ」と新天地に好印象。次回の参戦は未定

 

 NASCARカップ・シリーズのワトキンスグレン戦でデビューを迎えた元F1世界チャンピオンのキミ・ライコネン。トラックハウス・レーシングの91号車シボレー・カマロZL1を駆り、27番手から堅実なレース運びで順位を上げたが、結果的には接触リタイアとなった。
 悔しさが残る結果とはなったものの、ライコネンはNASCARの雰囲気を気に入ったという。
 落雷によりスタートディレイとなったワトキンスグレンの決勝レース。スタート後もウエットからドライへと変化する難しい路面コンディションとなったものの、ライコネンはレース序盤にトップ20圏内まで順位を上げると、第2ステージではピットストップまでに8番手へジャンプアップしてみせた。
 しかし、レース中盤の再スタートでライコネンを不運が襲う。チームメイトのロス・チャスティンが、インナーループ区間でオースティン・ディロン(リチャード・チルドレス・レーシング)と接触し、スピン状態に。後続はそれに詰まり、ロリス・ヘゼマンズ(チーム・ヘイズバーグ)と接触したライコネンは、コース外にはじき出される形でフロントからバリアに突っ込んだ。
「僕は良いライン取りができていると思ったんだけど、みんなが(コース)左側に来たみたいだ。残念ながら、反応する余裕はなかったよ」
 ライコネンはリタイア後にそう語った。
「最初の衝撃で、誰かがタイヤかホイールに直接当たって、(ステアリング)ホイールが回転しだしたんだ。手首に違和感があるけど、そういうものだ」
 ライコネンは全90周のうち44周でリタイアと早々に戦線離脱となったものの、カップカーのハンドルを握っている時間は「楽しかった」と語っている。
「常に自信を感じられていたし、良いバトルもできたから残念だよ。マシンにはスピードがあるように感じられたけど、そういうことも時には起こるんだ」とライコネンは続けた。

 ライコネンにとっては、このNASCARカップ・シリーズのワトキンスグレン戦が、2021年シーズンのF1最終戦アブダビGP以来初めてのレース参戦となった。
 NASCARの印象についてライコネンは次のように語った。
「本当に気に入っている。F1よりもずっとアットホームな雰囲気で、好きだよ」
「全体として、相手が誰であろうとレースができるのは良いことだ。そして、これまで対戦したことのない相手とレースをするのは、常にワクワクするモノなんだ」
「彼ら(NASCARのドライバー)はとてもプロフェッショナルだ。僕の慣れ親しんだルールとは少し違うけど、ここにいて彼らと会えるのは嬉しい。彼らはとてもリラックスしていて、気さくで、他のドライバーとも話しやすい。僕のいた所とは少し違うね」
 なお、NASCARの雰囲気を気に入ったと語るライコネンだが、次の参戦に関しては未定だという。
「この後の予定は何もないよ」と彼は言う。
「楽しみながら、できる限り良い結果を出したいと思っていた。良い挑戦だし、新しい体験だ」
「(次回の参戦は)どうだろうね、分からないよ」
 今回ライコネンは、トラックハウス・レーシングが進めるNASCARの認知度拡大を目的とした「プロジェクト91」を通してスポット参戦を果たした。チーム側は来季以降もこのプロジェクトを通して「6〜8戦」に参加する可能性を明らかにしている。
 ライコネンがこれにどう応じるかは”彼のみぞ知る”状況だが、扉は開かれている。もしかしたら、彼のレースをさらに観ることができるかもしれない。
 
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