レッドブル&HRC密着:代表はギヤボックスの問題を示唆。トラブル発生後もリラックスした表情を見せたフェルスタッペン

 

 F1オランダGPが開幕して10分も経たないうちに、サーキットが静まり返った。マックス・フェルスタッペンがスローダウンして、コース脇にマシンを止めたからだ。わずか7周でセッションを終えたフェルスタッペンは、ガレージに戻ってくると、自分のマシンに関わる多くのエンジニアたちとコミュニケーションをとっていた。

 まず最初にチーフエンジニアのポール・モナハンに状況を説明。その後、自身のレースエンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼ、ヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)らとテレメトリーデータを見ながら会話していた。

 印象的だったのは、その後のフェルスタッペンの対応だった。

 自分のマシンにトラブルが起こってセッションを棒に振ったことを考えれば、ガレージに帰ってきた後、簡単な会話をしたあと、モーターホームへ戻っても不思議はない。しかし、フェルスタッペンはその後のしばらくの間、ガレージにとどまった。しかも、それはエンジニアたちに「なんでトラブルが起きたのか?」というようなプレッシャーをかけようとしている様子はなく、リラックスした表情で話し合っていた。

レッドブル&HRC密着
トラブル発生後ガレージに戻ったフェルスタッペンは、リラックスした表情でエンジニアたちと話し合っていた

 クリスチャン・ホーナー代表によれば、「4速から5速にシフトする際にドライブを失った」と、ギヤボックスに問題があったことをほのめかしていた。

 セッション中、隣のガレージからパワーユニットらしきものが台車で運ばれてきた。カバーで覆われていたので、それにギヤボックスが組み付けられていたのかどうかはわからないが、2時間半後に開始されるフリー走行2回目にはすでにレースで使用したことがあるパワーユニットとギヤボックスがセットになったものを搭載して臨んだのではないかと推測する。

レッドブル&HRC密着
隣のガレージからパワーユニットらしきものが運ばれてきた

 じつはレッドブルは、金曜日のフリー走行前にフェルスタッペンのギヤボックスのメインシャフトロックインサートを交換するために、国際自動車連盟(FIA)の技術委員に封印を剥がす許可を取って、合法的に作業を行っていた。それがフリー走行1回目にストップした原因かどうかは不明だが、セッション終了後にフェルスタッペンのマシンを乗せたクレーン車の荷台には、オイルらしき液体がこぼれて付着していた。

レッドブル&HRC密着
フェルスタッペン車を運んだクレーン車の荷台には液体の付着した跡があった

 オランダGP初日、フェルスタッペンは8番手に終わった。果たして、レッドブルは土曜日以降もフリー走行2回目で使用したパワーユニットとギヤボックスで戦い続けるのか。それとも、新品を投入するのか。2日目の朝の状況が注目される。

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