バスティアニーニ、ファクトリーチーム負かして4勝目に喜び「バニャイヤは手強いからこそ、最高の勝利だ!」

 

 MotoGP第15戦アラゴンGPはエネア・バスティアニーニ(グレシーニ)が今季4勝目を達成。ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤとの激しいバトルを振り返り、素晴らしいレースだったと彼は語った。
 アラゴンGPはバニャイヤとバスティアニーニが接戦を繰り広げた第14戦サンマリノGPの再現かのようなレースとなった。
 ポールポジションスタートのバニャイヤが先頭を引っ張る形でレースは進み、バスティアニーニがそれに食らいついていった。
 勝負は最終ラップにまで持ち越されると、バスティアニーニはそれまでオーバーテイクを仕掛けていなかったターン7でアタックをかけた。イン側にマシンを滑り込ませたバスティアニーニは、ここで見事に追い抜きを成功。バックストレートでも反撃を許さず、0.042秒差と超僅差でバニャイヤを抑えてトップチェッカーを受けた。
「ミサノ戦と同じ様に、また素晴らしいバトルとレースだった」と、バスティアニーニはレース後に語った。
「スタートではアレイシ(エスパルガロ)に追い抜かれて、いくつかポジションを落としてしまったし簡単ではなかった。でも9周目にはトップに立つことができた。そのあとターン12でミスをしてしまったから、落ち着いてペッコ(バニャイヤの愛称)との距離を詰めて行こうと決めたんだ。彼は凄く速かったし、ミスもしないからね」
「ラストラップはミサノの時よりも接近できていた。それでなんとか彼をパスすることができたんだ。ペッコを追い抜くのは本当に難しいことだから、最高の勝利になった」
 そう語るバスティアニーニ。彼はバニャイヤの後方を走っているときに、どこで追い抜きを仕掛けるべきかを考えていたという。
「後ろから見ていて、どこで彼を追い抜くかを分析していたんだ」
「特定のコーナーを考えていたわけじゃないけど、ターン5やターン7で自分が凄く速かったから、そこで行こうと決めて、それが上手くいった。ちょっと即興ではあったけどね」
 なおバニャイヤはタイトルを争うライダーの一人で、彼と接近戦を演じた前戦サンマリノGPではドゥカティCEOからアグレッシブすぎたとバスティアニーニへの批判の声も漏れ聞こえていた。
 今回はランキング首位のファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)が序盤に転倒したこともあり、バニャイヤは勝負に敗れて2位となっても大きくポイント差を縮めることができた。
 ただ、ランキング4番手のバスティアニーニは、クアルタラロの転倒を把握していなかったという。
「ファビオのクラッシュについては、レース後に教えられたんだ。それまで知らされていなかったんだよ」と、バスティアニーニは言う。
「58ポイント差があるから、あまり考えすぎずにレース1回1回に向き合っていくよ。セットアップは良い感じだから、この先も良い方向に進んでいると思う」
「チャンピオンシップは重要だし、僕は今トップ3に近づいている。でもそのことでプレッシャーがかかることはない」
「僕にとって今一番重要なのは、できるだけ前のグリッドからスタートすることだ。それから、個人的な目標はレースそれ自体であって、チャンピオンシップじゃない」
 ドゥカティ陣営でもバニャイヤとバスティアニーニは頭一つ抜けた速さを示している。ふたりのライディングの違いについて聞かれたバスティアニーニは、次のように語っている。
「バイクは(2022年型の)ペッコの物とかなり似ていると思う。違いはライディングスタイルだ」
「ペッコはコーナリングが素晴らしくて、僕はコーナー進入が強みだ。でもふたりともブレーキングが凄くハードで、簡単にミスが起きてしまうんだ」
 
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