レッドブルF1、RB18の開発がペレスの利益になっていないと認める「マックスに勝つための自信を持つのが困難に」
レッドブルは、2022年型マシン『RB18』の開発はセルジオ・ペレスにとっては不利益なものだったことを認めている。優勝を狙えるマシンが進化するにしたがって、ペレスの自信は低下していったという。
今シーズンこれまでに11勝を上げているマックス・フェルスタッペンは、ミハエル・シューマッハーとセバスチャン・ベッテルがともに保持している1シーズン13勝の記録に並ぶか、もしくは越える勢いだ。フェルスタッペンの猛攻はシーズン序盤から緩やかに始まったもので、その頃はペレスがフェルスタッペンと肩を並べていた。ペレスはサウジアラビアGPでポールポジションを獲得したし、モナコでの輝かしいレースでは完勝だった。
しかしながらシーズンが展開するにつれてレッドブルの2022年型マシンは進化した。フェルスタッペンが本領を発揮する一方でペレスはチームメイトに対して為す術もなく、形勢は不利になった。
レッドブルのテクニカルディレクターを務めるピエール・ワシェは、チームが決めた開発の方向性は、より「鋭い」マシンを製造することでフェルスタッペンに利益をもたらしたが、ペレスには明らかに適したものではなかったと述べている。
「複数の要因があるが、主な要因は明らかにマシンバランスと、今年初めと比較してのマシンの信頼性にあるだろう。当時はマックスよりももう少し彼の方に合うようにバランスが取られていた」と先週末モンツァでワシェは説明した。
「シーズン中にマシンに施したと思われる開発によって、それが(マシンから)なくなった」
「その後、彼にとって適切なセットアップを見つけるのはかなり困難になり、彼にマックスと戦い、勝つための自信を持たせるのが難しくなった」
レッドブルは、マシン開発はそのデザインから最大限のパフォーマンスを引き出すために行うものであり、決して片方のドライバーを利するために行われているものではないと明らかにしている。しかしながら、ペレスのRB18をより安定させることで彼の自信を取り戻させようとする取り組みは、パフォーマンスの妥協へとつながった。
「理論的にパフォーマンスのためにマシンを開発しようとすると、マシンバランスの再調整のためのセットアップで行き詰まる。つまりパフォーマンスを少し下げて望むマシンバランスを達成しなければならないということだ」とワシェはコメントした。
「そしてパフォーマンスを少し下げて適切に釣り合いを取り、望むマシンにしなければならないことを意味する」
「私は普段、向上させるために少しパフォーマンスを落とすことになると言っている。それは大きく向上させるというのではなく、こうした方向性のことを言っているのだ」
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