フェラーリがFP2ワンツーも、タイトル争う3人は消化不良。角田裕毅はトラブルでアタックできず|F1シンガポールGP

 

 F1第17戦シンガポールGPのフリー走行が行なわれ、フェラーリのカルロス・サインツJr.がトップタイムをマーク。アルファタウリの角田裕毅は17番手だった。
 3年ぶりの開催となっているシンガポールGP。舞台となるマリーナベイ・ストリート・サーキットには夜の帳が下り、きらびやかな照明がサーキットを浮かび上がらせた。ただ気温は29度、路面温度34度と、FP1からそれほど温度は下がらず。湿度は78%という過酷なコンディションだ。
 FP2は予選・決勝が行なわれる時間帯のセッション。まずは多くのマシンがミディアム、一部がハードタイヤでコースインしていった。FP1終盤にはギヤボックスのオイル漏れで走行できていなかったフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)も、すぐにコースインを果たしている。
 レッドブルのマックス・フェルスタッペンやセルジオ・ペレス、フェラーリのシャルル・ルクレールといったタイトルコンテンダーがピットに留まり、マシンに何らかの作業を行なっている中、メルセデスがFP2の序盤もリード。ジョージ・ラッセルがトップに立つと、ルイス・ハミルトンがそれをさらに上回る1分44秒091をマークした。ハミルトンはFP1で今季初のセッショントップを記録している。
 ただラッセルは、ブレーキングで止まりきれず。なんとかバリアに突き刺さるのを避けたが、FP1でも同様に止まりきれなかったシーンがあり、少しマシンに手を焼いているようだ。
 その後は、カルロス・サインツJr.(フェラーリ)とハミルトンがトップタイムを塗り替え合う状況。セッション開始から20分が経ったところでは、サインツJr.が1分43秒231でトップとなった。
 ガレージでマシンに変更を施していたフェルスタッペンは、このタイミングでコースイン。ハードタイヤで走行を開始した。フロアが取り外されていたペレス車、リヤ部分で作業が行なわれていたルクレール車も、セッション折り返しを前にジャッキダウンされた。
 ただコース上では、問題なく走行をしていたクルマたちが2セット目のタイヤとして新品のソフトタイヤを装着。予選を想定したアタックを開始した。
 そのため、ペレスはいきなりソフトタイヤでコースイン。大きく挙動を乱す場面もあり、8番手に留まった。一方で、ルクレールはミディアムタイヤでコースインしていった。
 対して、サインツJr.はソフトタイヤに履き替えて1分42秒751までタイムアップ。ルクレールも、2番手に食い込んでみせた。
 ただ、その後もメルセデス勢などがセカンドアタックでタイムアップ。ラッセルが2番手、ハミルトンが3番手につけた。
 各車がソフトタイヤでの走行を終えてピットに戻ってくる中、ピエール・ガスリー(アルファタウリ)車のインダクションポッドから突如として火の手があがった。あまり出火するような場所ではなく、ピットクルーも全く警戒していなかった様子だっただけにヒヤッとするシーンだったが、すぐに火は消され、ガスリーは無事だった。
 オーバーテイクが難しく予選が重要視されるコースであり、土曜日以降は降水確率が高めの予報となっているからか、普段よりも各車がロングランを開始するタイミングが遅く、残り15分を切ってようやくユーズドタイヤに履き替えての走行が開始された。
 ただルクレールは残り10分を切って新品のソフトタイヤを投入。セクター3でタイムが伸びず、トップ浮上はならなかった。
 ハードタイヤで3周したのみで、ピットに長い時間を過ごしていたフェルスタッペンだが、セッション残り5分を切ってようやくソフトタイヤでのアタックを開始。セクター2まではトップのサインツJr.と比べて遜色のないペースだったが、セクター3で0.3秒ほど遅れての4番手となった。
 60分のセッションが終了し、最終的にトップはサインツJr.。ルクレールが2番手に続き、フェラーリがワンツーとなった。ただ、ルクレールはセッション終了後にもっとフロントのダウンフォースが欲しいと無線で訴えており、マシンの仕上がりは完璧とはほど遠いようだ。
 レッドブルも4番手フェルスタッペンがわずか8周、9番手ペレスが13周と、いまひとつ走行距離を稼げておらず。タイトルコンテンダーが軒並み、消化不良のFP2になったと言えそうだ。
 一方、メルセデスは3番手ラッセルが26周、5番手ハミルトンが22周と走り込んだ。ロングランも比較的しっかりと取り組んでいた印象であり、レッドブルやフェラーリを脅かすことができるかもしれない。
 中団勢では、アルピーヌ勢が好調。エステバン・オコンが6番手、フェルナンド・アロンソが8番手とリードしている。ただ差はそれほど大きくなく、ワンミスで台無しになってしまうコースなだけに、油断はできない。
 散々だったのはアルファタウリ。マシンから出火があったガスリーはその後、走行を再開しており14番手だったが、角田裕毅は予選想定のアタックができず。ソフトタイヤに履き替えたタイミングで燃料システムのトラブルが起き、一足早く走行を終えて17番手になっている。
 
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