雨の鈴鹿をフェルスタッペン制し2冠達成。初の母国GP角田裕毅は13位チェッカー|F1日本GP

 

 鈴鹿サーキットを舞台に行われたF1第18戦日本GP。決勝レースでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が優勝した。
 2019年大会以来3年ぶりの開催となったF1日本GPは、グランプリ初日から不安定な天候が続き、予選日はドライコンディションとなったものの、日曜日は決勝レースを前にポツポツとコースを濡らし始めた。
 レース前のセレモニーが執り行われる中でその雨脚は強まっていき、全ドライバーがダンプコンディション用のインターミディエイトタイヤを選択した。
 気温17度、路面温度21度という状況の中、赤く灯ったスタートシグナルがブラックアウト。53周のレースが幕を開けた。
 蹴り出しは2番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)が勝ったものの、ポールスタートのフェルスタッペン(レッドブル)がターン2までアウト側で堪え、首位を死守した。
 そんな中、後方ではアクシデント続発。”最後の鈴鹿”となったセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)はターン1でフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)と接触しスピン。アクアプレーニングが発生したか、カルロス・サインツJr.(フェラーリ)はヘアピン立ち上がり(ターン12)で激しくクラッシュ……水煙により視界がほとんど無い中、吹き飛ばされたコース脇の看板はピエール・ガスリー(アルファタウリ)のマシン前方に覆いかぶさる形となり、ガスリーはピットでのフロントウイング交換を強いられた。
 その他にも、周冠宇(アルファロメオ)が180度スピン。アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)はマシントラブルにより、ここでレースを終える事となった。
 これにより、レースはオープニングラップにしてセーフティカーが出動。レース2周目には赤旗掲示に切り替わり、レース中断となった。
 ただレース2周目には二次的な事件も起きていた。1周目終わりのピットインにより最後方を走っていたガスリーは、集団に追いつこうと2周目のヘアピンを回ったが、その先にはサインツJr.のマシン回収に向かった作業車がコース上に……その瞬間に赤旗が振られ、ガスリーは作業車の真横を駆け抜けた。
 2014年のF1日本GPでは、雨の決勝レースでジュール・ビアンキが作業車に衝突し命を落とした暗い過去があることから「ここで何が起きたか分かっているのか」と無線で強く訴えたが、FIAはガスリーが赤旗掲示下に最大250km/hまで加速していたとして、レース後の審議対象となった。
 当初は14時50分にレース再開の予定となっていたが、雨脚が更に強まったことでレースの中断は続いた。レース最大延長時間以内に全53周を走り切る可能性が低くなったことで、国際映像のカウント表示も周回数から残り時間へと切り替わり、長いレース中断となったものの、赤旗提示から2時間以上が経過した16時15分にレース再開。3周のセーフティカーラン後にローリングスタートで、各車がレーシングスピードへ戻っていった。
 残り時間が40分を切る中、フェルスタッペンが首位を維持しルクレールやセルジオ・ペレス(レッドブル)、4番手エステバン・オコン(アルピーヌ)、5番手ルイス・ハミルトン(メルセデス)が続いた。
 後方へ落ちたセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)とニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)は再開と共にインターミディエイトタイヤへ履き替える。すぐにペースを上げた2台はセクターごとに全体ベストを記録……路面はインターミディエイト向きと判明し、上位勢もそれを見てピットへ飛び込んだ。
 フェルスタッペンはウエットタイヤで引っ張る戦略に出たミック・シューマッハー(ハース)を交わし、首位を奪還。真っ先にインターミディエイトタイヤへ変えたベッテルとラティフィが大きく順位を上げる中、シューマッハーと同じ戦略に出たドライバーは逆に大きく順位を落とす事となった。
 フェルスタッペンが快調に飛ばす中、2番手ルクレールはついて行けず、レースが最終盤に近づくと、3番手ペレスに追いかけ回されることに。
 フェルスタッペンが26秒前方で今季12勝のトップチェッカーを受ける中、ルクレールはペレスのプレッシャーもあり、ファイナルラップの最終シケインでコースオフ。シケインをカットする形でペレスの前に戻り、そのまま2番手チェッカーを受けたが、レース終了後に5秒のタイム加算ペナルティが科され、ペレスが2位、ルクレールが3位となった。
 レースは75%に満たない全53周中29周での終了となったが、レギュレーションに従ってフルポイントが付与されることに。ドライバーズランキング首位のフェルスタッペンは、ペレスとルクレールとのポイント差を残り4レースで獲得可能な最大ポイント数112以上に広げたことで、2年連続のF1ドライバーズチャンピオン獲得を決めた。
 レース後は、フェルスタッペンのチャンピオン獲得か、それとも持ち越しなのか……未確定の状態が続いたが、フェルスタッペンの戴冠決定の知らせが会場に響くと、割れんばかりの歓声がサーキットを包んだ。
 4位にはハミルトンの猛追をしのぎきったオコン。5位ハミルトン、6位にベッテル、7位にアロンソ、8位にラッセル、9位にラティフィ、10位にランド・ノリス(マクラーレン)というトップ10となった。
 初の母国レースとなった角田は、スタートの混乱を切り抜け入賞圏内を走ったものの、ラッセルに交わされた後に3セット目のタイヤに交換。16番手から追い上げたがポイント圏内には届かず、予選順位と同じ13位でチェッカーを受けた。
 
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