根深いメルセデスW13の問題……解決と思ったら再発続きに開発側も「心底ガッカリ」

 

 メルセデスF1は2022年のマシンW13の開発においてアップデートの以後も浮き沈みが続いている状況に、”深く失望”しているという。
 今シーズンのF1はグラウンドエフェクトを主眼に置いたマシン規定が導入され、これまでのマシンから世代が移り変わった。しかし近年のトップチームとして君臨してきたメルセデスは、このマシン開発で大きく躓いてしまった。
 彼らは今年序盤に各チームが悩まされた、フロア下で生まれるダウンフォースの増減による”ポーパシング”と呼ばれるマシンの車高が高速で変化を繰り返す現象だけではなく、足回りが硬いことからマシンが跳ねてしまうバウンシング問題も発生……大きく苦しめられることになった。
 スペインGPでアップデートを投入したメルセデスは、ジョージ・ラッセルが3位、ルイス・ハミルトンが5位に入り、問題解決を確信。ハミルトンは「希望の光」がもたらされたと語っていたほどだった。
 しかしその後、チームは再び苦戦が続き、W13の問題が解決されていないことは誰の目にも明らかだった。
 メルセデスのテクニカルディレクターであるマイク・エリオットは、第18戦日本GPで取材に応え、シーズンを好転させると考えていたスペインでのアップデート後に、マシンの問題が明らかになったと話した。
「我々のクルマにあった問題は、バウンシングによって見えなくなっていたんだ」
「バウンシングが全てを支配していた。そしてかなり変化のあるパッケージを入れたバルセロナでは一度それを乗り越え、我々としても『よし、良い方向に進んでいるぞ』と考えていた。だが、その次の2戦で深く失望することになった」
「玉ねぎの皮を剥いていくようなものだ。皮を剥いても、また別の問題があるんだ。そして、その問題は我々が冬の間に仕込んだものだった」
「それからというもの、我々は適切な方向に進むために様々な措置を講じてきた。しかし元に戻すにはまた冬の時間が必要なんだ」
 メルセデスとしては、ハンガリーGPで今シーズン初のポールポジションを獲得。しかし残り4戦となった今も未勝利に終わっている。
 またエリオットはバウンシングの問題を解決しようにも、今年からフリー走行の時間が短縮されたことにより、調整の時間がなくなってしまい、更に困難な状況に置かれることになったと語っている。
「テストの時間はほとんど無い。金曜日午前、午後に1時間しか与えられていないからね。そして、レースのための作業に真剣に取り組む必要があるんだ」
「学ぶのにも時間がかかるんだ。そして同時に、ファクトリーでのアプローチも考えている。さらに、アゼルバイジャン後に明らかに別の問題があることが分かった」
「我々はシミュレーションを通じてデータを調べ、それを発見した。しかし、時間は限られている。問題は空力的なモノで、それを克服するには時間がかかるのだ」
 
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