F1メカ解説|アルファタウリが鈴鹿に持ち込んだ、新処理のリヤウイング。ウイング幅を広げ、ダウンフォース増を狙う”技”

 

 3年ぶりとなった日本GPでノーポイントに終わったアルファタウリ。実は彼らはこのグランプリに新しいリヤウイングを投入。しかし決勝が降雨に見舞われたため、その真のパフォーマンスを確認できるのは、次戦以降になりそうだ。
 アルファタウリはシンガポールGPに新しいノーズとフロントウイングを投入。フロントのダウンフォースを増加させ、回頭性を向上させることを狙った。そして今回の日本GPでは、新仕様のリヤウイングを持ち込み、2台のマシンに搭載した。
 新しいリヤウイングは、リヤウイングのウイング幅を広げることが最大の目的だった。これにより翼端板との接続部の曲線が鋭角になったが、ウイング幅が広がったことでダウンフォースの増加に繋がっているはずだ。また、翼端板後端上部の切り欠きの形状を変更して、空気抵抗を低減することにも取り組んでいる。
 写真の左が日本GP仕様、右がフランスGP仕様である。両者を比較すると、ウイングと翼端板接続部分が、大きく変更されているのがよくわかるだろう。この結果、これまでは丸みを帯びていたウイングの角が、より四角い形状となり(緑色の線で示された部分)、その分ウイングのフラップの幅が広がった。これによってダウンフォースの発生量を増やしているわけだ。
 また左右それぞれ、丸の中には翼端板を側方から撮影した写真を挿入してある。新仕様に伴う損失軽減のため、翼端板上部の切り欠きが変更されているのがよく解ろう。
 ただアルファタウリがこの変更を行なったのは、今回が初めてというわけではない。過去数レースで、ローダウンフォース仕様とハイダウンフォース仕様のウイングにも、同様の変更を施していた。ただ、鈴鹿で使われた”ミディアム-ハイ”ダウンフォース仕様のウイングにこの処理が施されたのは初めてというわけだ。
 なお日本GPではレースが雨になると予測したからか、ピエール・ガスリーのマシンには、ハイダウンフォース仕様のリヤウイングが搭載された。一方で角田裕毅は、この新しい”ミディアム-ハイ”ダウンフォース仕様のリヤウイングを、予選と決勝でも使った。
 
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