モータースポーツは未来を担う「Z世代」をどれだけ引き込めるのか……研究が浮き彫りにする若年層へ向けた訴求の課題とは?
スイスのルガーノ大学の学生であるスザンナ・コレッタは、モータースポーツ業界は若年層ファンの獲得という大きな課題に直面しているという論文を発表した。
彼女は、1997年から2021年の間に生まれたいわゆる「Z世代」もしくは「iGen」のエンゲージメントに着目し、世代間における消費者行動の差異を研究した。
Z世代は、2031年までに世界の全体所得の27%を占めると予想されており、モータースポーツスポーツのみならずこの世代の関心や消費習慣が成功において欠かせない。この世代の傾向としては、ソーシャルメディアから非常に大きな影響を受け、惹かれるモノで無い限りイベントに足を運ぶことはないという2点が主に挙げられる。
「概して、私はクルマとモータースポーツにとても情熱的で、両親がこの業界で働いていることもあり、このスポーツの中で育ちました」とコレッタは自身の研究について述べた。
「その一方で、消費者に焦点を置いた企業コミュニケーションについて学んできました」
「Z世代に注目したのは、将来的にモータースポーツからファンが消えていくのではないかという潜在的な問題を見出したからです。異なる世代の人々にインタビューを行ない、年配の方から若い方までの比較をしました。彼らの経験則や私たちの生活を変えた新しいテクノロジーに基づき、この問題がシリアスなモノであるのか、それとも杞憂なのか、私なりの答えを出しました」
彼女の研究から浮き彫りになった問題は、そのシリーズでポスト・ミレニアル世代のファンの重要度が増すにつれて、オーガナイザーやマーケティング担当は集客の問題に苦しめられるということだ。
「若い人たちが、以前ほどクルマに興味を持っていないということは明らかです」とコレッタは言う。
「ひとつ例を挙げるとすれば、18歳の私の妹はクルマを所有することに興味がありません。ちょうど4年ほど前ですが、私が18歳のとき、真っ先に手に入れたいと思ったのはクルマでした! 私とは全く違う生き方をしているかのようです。そこに大きな時代の変化があると思います。妹の世代はみんなそうみたいです。彼女の友達も、誰もクルマに興味はないし、運転免許も取っていないんです」
「妹は1日に8から10時間と、常にスマホを触っているんです。私自身はあまり興味がないのですが、妹はeスポーツに高い興味があるようで、新型コロナの(ロックダウン)時はバーチャルレースを観ていました。彼らの興味を引くことは重要だと思います。見るからに活用できると思いますが、これそのものがモータースポーツの未来の形だとは思っていません」
「サーキットで本物のレースを観た時に得られる体験とは、全く異なるモノです。誰がゲームをプレイしているのとは違うんです」
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