ヤマハの新エンジンには、期待通りのパワーがない? クアルタラロ困惑「以前は変化を感じられたのに」

 

 MotoGPは最終戦バレンシアGPから1日の休息日を挟み、早くも来シーズンに向けて動き出した。バレンシアGPの舞台であるリカルド・トルモ・サーキットで、11月8日にポストシーズンテストが行なわれ、各チーム/ライダーが早速走りはじめた。
 この日のトップタイムはVR46のルカ・マリーニだったが、そんな中で9番手タイムを記録したヤマハのファビオ・クアルタラロは、新しいエンジンから期待通りのパフォーマンスを引き出せていないと語った。
 この新しい2023年仕様のエンジンは、テストライダーであるカル・クラッチローがもてぎやヘレスでテスト。クアルタラロもミサノで行なわれたテストなどで試し、「大きな改善だ」と賞賛していたモノだ。しかし今回のテストでクアルタラロは、新型エンジンが2022年型と同じスピードだったことに驚いている。 
「このエンジンは、ミサノとバルセロナでテストしたモノよりも少し速いはずだったから、驚いた。特に予選ラップでは、2日前(バレンシアGP)と同じだったんだ」
 火曜日のバレンシアテスト終了後に、クアルタラロはそう語った。
「スピードを比較したところ、同じだったんだ。何が起きたのかを分析する必要がある。僕らはミサノとバルセロナでテストし、カルはもてぎとヘレスでテストして、エンジンの違いを確認したんだ」
「でも、今回は違いがなかった。何が起きたのか、よく分析する必要がある」
「本来なら、このエンジンの方が馬力が高いはずなんだ。カルがヘレスでテストしたところ、明らかに優れていたと言っていた」
「でも今は、最高速度は昨年と一緒なんだ」
「エンジンではないが、問題があるのは確かだ。しかし、期待していたような追加のパワーが得られなかったということが起きた」
 クアルタラロが火曜日に記録した最高速度は327.4km/hだった。しかしこのスピードは、フランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)が記録した335.4km/hよりも大きく劣っていた。クアルタラロのチームメイトであるフランコ・モルビデリはさらに厳しく、325.8km/hだった。
「ミサノとバルセロナで改善を感じられたのに、今日何も改善がないということはあり得ないよ」
 クアルタラロはそう続けた。
「つまり、何かが悪い方向に行ってしまったということだろう。それは、フランコも同じだったと思う。彼も最高速がかなり低かったからね」
 なおヤマハはエンジンの他、新しいエアロパッケージもテスト。これには、リヤウイングも含まれていた。
「違いは感じた。でも、良いか悪いかは一概には言えない。ウイングが大きければ大きいほど、ウイリーは小さくなる。でも最高速に影響が及んだり、加速やブレーキングのパフォーマンスを失うかもしれないからね」
「つまり、データをチェックする必要がある。僕の感覚でオーケーだったとしても、ラップタイムやデータを見た方がいいからね」
 
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