新ファクトリーで効率の改善も目指すアストンマーティンF1。代表は「チームのゲームチェンジャーになる」と期待
アストンマーティンのチーム代表を務めるマイク・クラックは、シルバーストンに建設中の最先端のファクトリーは「チームのゲームチェンジャーになるだろう」と述べている。
2021年の夏の終わりに着工した、アストンマーティンの3万7000平方メートルに及ぶ2億ポンド(約331億円)相当のキャンパスでは、半年後の2023年5月にチームのメインファクトリーとなる最初の建物が完成する予定だ。チームは、元々はジョーダン・グランプリのために建てられた隣接する旧ファクトリーから移動することになる。
また旧ファクトリーは取り壊されてふたつのユニットに生まれ変わる。アストンマーティンの新たな風洞と、最後にチームのシミュレーターを設置する建物が建てられ、そこにはスタッフ向けの福利厚生スペースとしてジムも併設される予定だ。
敷地内のメインの中心複合施設には、160mの長さの廊下があり、その両側にチームのさまざまな部門が配置される。スペースのほぼ全体がオープンプランとなっており、技術部門は上のフロアに入る。
F1チーム代表のマイク・クラックによると、このレイアウトと構成のおかげで、アストンマーティンのさまざまな部門間のコミュニケーションと相互作用が大幅に促進されるだろうという。
「ミーティングを設定することなしに人々と話すことができるので、会話がしやすくなる」と今週行われたメディア向けの新ファクトリー見学会でクラックは説明した。
「もうひとつはロジスティクスだ。ある場所からもうひとつの場所へ物を動かすのが非常に楽になる」
「そうした観点から、チームのダイナミクスとロジスティクスのゲームチェンジャーと呼ぶことに私は賛成だ」
■「従業員には“自分たちはサポートされており、望んでいたチームの一員だ”と感じてほしい」
クラックは、アストンマーティンの現在のファクトリー施設が著しく効率に欠けていることを認めている。この変更によってチームとスタッフが得られるものは多い。
「現在のようにファクトリーが分散していると、ロジスティクスと建物の賃料にコストがかなりかかってしまう。効率化が重要であり、我々はそこに一歩を踏み出す」
「自分自身で何もかも作ることができるが、選択することもできるとしたら、買うだろうか、それとも作るだろうか? (パーツを)さらに早く、また、安く作れるとしたら、数も増やせるということだ。(以前は)時間や財政上の理由でできなかったアップグレードを1回か2回増やせるかもしれない。これは素晴らしい進歩だと思う」
アストンマーティンのテクニカルディレクターを務めるダン・ファローズも、新ファクトリーの重要な効率性を強調した。
「効率はすべてをカバーする。コストと時間の面で効率的であるということは、競争力のあるチームであるための条件のひとつだ。設計から製造まで、可能な限り短い時間で迅速に行うことができる能力を持つことだ」
「このような施設があれば、効率の面で大きな飛躍を遂げることができる。当然ながら、予算制限のある世界では、パーツのコストを最大限に効率化するためにできることは何でもやる価値がある」
「スマートファクトリーは、分析に関してもはるかに詳細に行う能力を備えている。生産プロセスを詳細に記述して分析することで、外部に委託するよりも大きな改善を行うことができるようになる」
またファローズは、アストンマーティンの将来のキャンパスを構成する新しい3つの建物が、個々としても全体としても重要であると主張した。
「このチーム作りは旅のようなものだ。こうしたことひとつひとつが旅における節目のようなものだ」
「これらのものはすべて、我々が望むレベルで活動する上で役に立つものだ。その最終段階である3つ目の建物は、従業員の健康のためにジムなどを備える。これは初期の段階と同じくらい重要だと私は考えている」
「我々がこうした方向に進んでいることと、こうしたことに目を向けていることを示すこと自体が、解決策の一部だと思う。このことがスタッフを引きつける。我々が彼らのことを気にかけているのだと分かるからだ。我々は彼らに素晴らしいレベルで活動してほしいが、同時に自分たちはサポートされており、望んでいたチームの一員なのだと彼らに感じてほしいのだ」
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