元メルセデス責任者のハウグ、多数のチャンピオンを輩出してきたドイツでのF1人気の衰退を嘆く
元メルセデスのモータースポーツ部門責任者ノルベルト・ハウグは、ドイツのモータースポーツファンは国内でのF1を悲劇に変え、もはやグランプリが国内で開催されないことを恥じるべきだと語った。
1950年の世界選手権の始まりからF1の歴史に深く関わってきたドイツは、2013年まで長年F1カレンダーに存在していた。何十年にもわたり、ホッケンハイムやニュルブルクリンクでのレースは多くの観客を集め、主催者はミハエル・シューマッハーのF1全盛期における成功を十分に活かしていた。
しかしその後、セバスチャン・ベッテルの成功と世界タイトルの獲得、メルセデスの覇権があったにもかかわらず、ドイツ国内でのF1人気は低迷した。2014年からホッケンハイムはドイツ唯一のF1開催地となったが、会場の財政難により、レースは2年おきにしか開催されなくなった。最後に開催されたのは2019年で、メルセデスによる極めて重要なスポンサーシップを得たおかげで実現した(編注:コロナ禍でカレンダーが大幅に変更された2020年には、急遽ニュルブルクリンクでアイフェルGPが開催された)。
メルセデスとマクラーレンのパートナー関係が成功を収めていた時代のF1パドックの重要人物だったハウグは、ドイツが3年間F1を開催していないのは、同国のF1に対する情熱が衰退していることの直接的な結果だと考えている。
「ドイツでは、F1はすべてのモータースポーツ愛好家たちが恥じるしかない悲劇に変わってしまった」とハウグは報道機関『RND』に語った。
「1994年から2016年まで、まるで組立ラインから出てくるかのようにドイツ人世界チャンピオンが出現した。ミハエル・シューマッハーは7度世界タイトルを獲得し、セバスチャン・ベッテルは4年連続でタイトルを獲得した。そしてこれまでのところ最後のひとりとなっているニコ・ロズベルグが2016年に世界チャンピオンになった」
「メルセデスはパートナーチームのマクラーレンとブラウンGP、およびミカ・ハッキネン、ルイス・ハミルトン、ジェンソン・バトンとともに1998年から2009年の間に4回ドライバーズタイトルを獲得した」
「メルセデスのファクトリーチームは2014年から2021年まで8年連続でコンストラクターズ選手権を制覇し、その間にハミルトンが6回、ロズベルグが1回、世界タイトルを手にした」
「1990年代後半から2000年代の10年余りの間、ドイツではスタンドいっぱいの10万人を超える観客の前で、年に2回F1レースが開催された」
「RTLでは1200万人の人々が視聴した。今では300万人だ」
ベッテルがF1から引退したことと、ミック・シューマッハーがグリッドに留まることができなかったことは、F1人気が将来回復する前兆には見えない。ニコ・ヒュルケンベルグは2023年にF1でドイツを代表する唯一のドライバーとなるが、35歳のベテランの彼がドイツ人の情熱を解き放つようになる可能性は低い。
「また2010年には、1シーズン中に7人のドイツ人F1ドライバーがいた」とハウグは述べた。
「今日ではニコ・ヒュルケンベルグが唯一のドイツ人ドライバーで、よくても二流のチームにいる。そしてミック・シューマッハーは前途有望な代役ドライバーだが、少なくとも彼は適切なチームにいる」
「ドイツGPは久しく開催されていない。熱心な自動車反対派の環境主義者も、これほど野心と成功に欠けたドイツのF1戦略を立てることはできなかっただろう」
「特にメルセデスのワークスチームのことは除外している。彼らは正しくはイギリスで活動しており、ふたりの優れたイギリス人ドライバーを擁している」
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