7回王者ルイス・ハミルトン、F1ドライバーとしての進化はまだまだ止まらず……懐刀ショブリン「彼は自分とチームを、もっと良くしようとしている」

 

 2007年にマクラーレンの秘蔵っ子としてF1にデビューしたルイス・ハミルトン。これまでに7回のドライバーズチャンピオンに輝き、今では歴史上最も優れたドライバーのひとりに数えられる存在となった。
 ハミルトンの現在の所属チームはメルセデス。1度のチャンピオン獲得経験を手土産にチームに加入した後は、現行のパワーユニット・レギュレーションの導入も追い風になり、タイトルを積み重ねていった。
 彼の目標は、基本的にはメルセデスに加入した当時とそれほど変わっていないというが、アプローチには変更があったようだ。
 ハミルトンが加入した当時のメルセデスは、前身のブラウンGP時代(2009年)にチャンピオンを獲得した経験があったとはいえ、常勝軍団と言うには程遠かった。しかし同チームで長年経験する間、浮き沈みはあったもののハミルトンは豊富なデータを手にすることができ、自分の努力をどこに集中させるべきかを明確化することになった。
 そのハミルトンの進化について、メルセデスのトラックサイド・エンジニアリング・ディレクターのアンドリュー・ショブリンは、次のように語る。
「ルイスとは長いこと仕事をしてきたが、彼はクルマが何をしているかということについて、本当に印象的な感覚を持つドライバーだと思う」
 ショブリンはmotorsport.comの独占インタビューにそう語った。
「彼が求める領域にマシンを入れることができれば、一体どんなことができるのか‥…我々はそのことをよく理解している。そして我々は十分すぎるほど長いこと共に仕事をしてきたから、必要な話をすることができるんだ」
「キャリアを重ねるにつれ、成長していくモノだと思っている。10年前に今と同じことを知識として持っていたならば、我々はもっと成功したはずだ」
「ルイスはドライバーとして、その限界ギリギリのところがどこなのかを探すということに、とても多くの努力を払っている。どうすれば以前よりも優れたドライバーとして新しいシーズンを迎えることができるかということを常に追い求めるのは、彼の勝利への愛情によるものだろう」
「彼は打ちのめされるのが大嫌いだ。だから彼は現在、エンジニアリングのプロセスを理解するために非常に熱心に取り組んでいる。全てのエンジニアリング部門と話し合っているんだ。空力面でも、ビークルダイナミクスの面でもね」
「彼はチーム内の全てのスタッフをよく知っている。だからこの質問をするにはどこに行けばいいか、このフィードバックを誰に伝えればいいかということをよく知っているんだ。そしていずれも、我々全員が一緒になって解決すべき問題なのだ」
 ハミルトンが最も成長した領域……それはマシンからより多くのパフォーマンスを引き出すために、どこに努力すべきなのかということを理解したことだと、ショブリンは考えている。そして、チームが必要なモノを提供してくれるようにするためには、どうすればいいかということも、ハミルトンは理解するようになったという。
「彼は常に少しでも良くしようとしている。当初との違いは、彼が学習し改善していくために、チームや周りにいる人たちからどれだけのモノを引き出せるのか……それを彼が認識したことだと思う」
 そうショブリンは説明する。
「彼はチームに快適さを感じ、落ち着いて日々の仕事に当たることができるようになった。自信もつけたし、様々な部分について、様々な人たちと話ができているということにも満足している。彼は、リソースを実に効率的に利用しているんだ」
「しかし彼は、十分ではないと思う部分を見つけた場合に、それを解決するために一生懸命になる」
「近年では、ドライバーたちがマシンを降りた時にすべき仕事の量も増えている。例えばタイヤがどうなるかを理解したり、それを適切にマネジメントするために何をすべきかということも知らなければいけない。そして、予選の時にどうやってタイヤをうまく作動させるかということも重要だ。つまり、彼らの仕事量はかつてないほど増えている」
「そしてルイスは、パドックから帰るのが最も遅いドライバーのひとりだ。そういう姿を頻繁に目にするだろう。彼は歩き回って、自分が何をする必要があるか、確実に把握しようとしている」

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