2022年のF1チームの収支を現在FIAが分析中。複数チームが予算制限を超過する可能性も

 

 F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは、FIAによる2022年のコスト制限監査の結果を知ることに「非常に神経をとがらせている」ことを認めている。結果にはF1の信頼性がかかっているのだ。

 各チームは3月31日までに収支計算書を提出することになっていた。FIAのコスト制限管理組織は現在、コンプライアンスを検証するために数字を掘り下げている。

 F1の予算制限は、実施初年度の2021年に1億4500万ドル(約195億円)に設定され、昨年は1億4000万ドル(約189億円)に減額されたが、予期せぬ世界的なインフレ率上昇に対応するために、3%の物価スライド制が取り入れられた。

 しかし昨年11月、レッドブルが制限を220万ドル(約2億9600万円)超えたことが明らかになり、罰金700万ドル(約9億4400万円)と、チームの空力開発時間を10%削減するペナルティが科された。レッドブル自体は昨年の支出超過はなかったと確信しているが、チームは、ライバルのうち6チームは2022年の制限に違反しているかもしれないと推測している。原因は主にインフレ率のさらなる上昇にある。

「2022年の危機は、6チームが制限違反をしている可能性があるということだ」とレッドブルF1のチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは語った。

「エネルギー価格は飛躍的だったが、ありがたいことに我々はそれからは守られている」

「しかしいくつかのチームは、F1コミッションのミーティングで今年は制限を超えるだろうと表明していた」

クリスチャン・ホーナー代表(レッドブル)
2023年F1第3戦オーストラリアGP クリスチャン・ホーナー代表(レッドブル)

 チームの収支の運命は現在FIAの財務分析に委ねられているが、ドメニカリは神経をとがらせていることを認めている。

「私は非常に神経を高ぶらせている」とドメニカリは『Sky Sports』に語った。

「違反があった場合の影響は今では誰もが理解していると確信しているし、この件についての注目は実際のところ非常に高まるだろうと、私は完全に承知している」

「主に信頼性が関心の的になると思う。誰もがルールを尊重しているか確認することは、早いうちに行わなければならない」

 昨年、FIAの監査結果はシーズン末に発表されたが、当然ながら各チームは発表の遅さを批判した。ドメニカリは、今回はチームの監査証明をもっと早い時期に出す必要があることを、FIAは認識していると述べている。

「我々は議論しているが、監査と証明がはるかに早く行われるようにするのはFIAの側にかかっている。一部のチームが違反しているとしたら、信頼性を高めるためにできるだけ短い時間で適切な方法で行われなければならないからだ」

ステファノ・ドメニカリCEO
2023年F1第3戦オーストラリアGP ステファノ・ドメニカリCEO

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