アルピーヌF1の2023年型A523の武器はキープコンセプト。新フロントフロアは「非常に大きなポテンシャル」
アルピーヌF1のテクニカルディレクターを務めるマット・ハーマンは、2023年型マシン『A523』は前年型の空力コンセプトを引き継ぎながらフロアの開発に注力したことを明かした。
2021年のように優勝や表彰台を獲得することこそ叶わなかったが、アルピーヌにとって2022年シーズンは成功の一年だったと言えるだろう。彼らはライバルだったマクラーレンを上回り、レッドブル、フェラーリ、メルセデスに次ぐコンストラクターズランキング4位を獲得したからだ。
いわゆる“ベスト・オブ・ザ・レスト”の位置を獲得したアルピーヌにとって重要なのは、この勢いを維持し続けること。そのため、彼らは2023年型マシン『A523』においても前年型のコンセプトを踏襲して開発を進めたという。
アルピーヌのハーマンは『RacingNews365』に対し、2023年型マシンについて「クルマの大部分を変えているが、昨年型の空力コンセプトから大きく離れるようなことはしていない」と語った。とはいえ、これは決して保守的な理由からというわけではなく、「そこには実はまだ大きな可能性を秘めているものだと考えているから」だという。
大幅に車体規則が変更されてから初めてのシーズンだった2022年、各チームがグラウンドエフェクトを利用する新型マシンの開発に苦戦していたのは明らかだった。その苦悩はポーパシングなどの問題となって表れたが、昨年導入されたバジェットキャップにより、マシンに頻繁なアップグレードを施すことも難しくなった。つまり、現在のF1マシンには依然として開発の余地が大きく残されているのだ。
そのなかでも重要なのがグラウンドエフェクトの根幹となるフロアであり、比較的予算に余裕のあったアルピーヌは昨シーズン中から積極的に新フロアを投入してきた。それでも「まだまだフロアから大きなパフォーマンスを引き出すができると考えている」というハーマンは、フロアに空気を取り込むためフロント部分の開発にも注力したことを明かした。
「まだフロアの開発は完璧とは言い難いが、将来的には最大限この部分を活かすことができると考えている」
「A523を見て、フロントに施したいくつかの変更を見てもらえれば、我々がフロントフロアの領域で非常に大きなポテンシャルを実現していることがわかってもらえると思う」
ハーマンが自信をにじませるアルピーヌの2023年型マシン『A523』は、2月16日(木)にロンドンで発表される予定だ。
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