レッドブル・フォード、2026年へ向けたF1新規PUメーカーの優遇措置を100%受けれず。ホンダRBPTでの参戦が影響

 

 F1は2026年から次世代パワーユニット(PU)規則の導入を目指しており、既存メーカーに加えてアウディをはじめとしたメーカーの新規参戦も続いている。
 その呼び水としてF1と既存メーカーが合意の上用意されていたのが、新規PUメーカーへの優遇措置だ。この規定により新規PUメーカーは、2026年に向けて既存メーカーよりも多くの支出とテストベンチ稼働時間が認められるようになる。
 フォードもレッドブルのPU部門「レッドブル・パワートレインズ(RBPT)」に協力する形で2026年からF1に復帰することがレッドブル・レーシングの2023年マシン発表会で明かされたものの、彼らは新規PUメーカーへの優遇措置を完璧に得ることはできないようだ。
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 新規PUメーカーには、2023年に1,000万ドル(約13億円)、2024年に500万ドル(約6億5,000万円)を予算制限でカバーされたエリアに追加支出することができる。また、この期間に1,500万ドル(約20億円)の追加設備投資が可能となる。
 アウディは、選手権設立前のアウトウニオン時代を除けば今回がF1初参戦。一方で、フォードと手を組むRBPTは、現規則下でのパートナーであるホンダ・レーシング(HRC)との繋がりをフェラーリをはじめとするライバル勢に疑問視されている。
 レッドブル系2チームにPUを供給してきたホンダは、2021年シーズン末を持ってF1を撤退。2022年シーズンからは二輪・四輪のレース部門であるHRCを介してRBPTにPUを供給してきた。PUメーカー名にはRBPTの文字が入れられているものの、PUそのものはホンダ製となっており、レッドブルとHRCのパートナーシップは現規則が終了する2025年末まで継続される予定となっている。
 レッドブルは2026年からの新規PUメーカーの優遇措置を得るべく、RBPTとHRCの関係やHRCの持つ知的財産権へのアクセスを最小限に留め、完全に独立した企業であると常に主張。契約締結間近で破談となったポルシェに続いて、フォードとのパートナーシップ締結でも、この線引きを明確化する必要があったのだ。
 2026年のPU技術規則には、PUメーカーを部分的に新規参戦メーカーとみなす条項が存在する。第5章第2条にはこうある。
「FIAは要求された書類を審査した結果、PUメーカーが必要な条件を満たしていないと判断した場合、FIAの完全な裁量によってPUメーカーに部分的な新規PUメーカーのステータスを与える権利を有する」
「部分的新規PUメーカーのステータスは、技術、競技、財務の各規則によって新規PUメーカーに与えられる追加的権利が削減される」

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