メルセデスF1『W14』は「前年型のDNAを維持した進化版」も、スリムなサイドポッドはシーズン中に変更の可能性

 

 メルセデス-AMGペトロナスF1チームは、2023年型F1マシン『F1 W14 Eパフォーマンス』を初披露、テクニカルディレクターのマイク・エリオットがニューマシンの開発コンセプトについて語った。

 メルセデスは、軽量化を目的に、マシンのカラーリングを昨年型のシルバーからオールブラックに変更。一方、期待どおりのパフォーマンスを発揮しなかったW13の大きな特徴だったゼロ・サイドポッドコンセプトは、幾分変更されながらもW14に残された。

メルセデスF1の2023年型マシン『W14』(左フロントサイド)
メルセデスF1の2023年型マシン『W14』(左フロントサイド)

 エリオットは、W14は、W13のDNAを受け継ぎつつ、大きく改良されたマシンであると語った。

「F1世界選手権で8連覇した後に低迷したのだから、図面を破って再出発するだろうと考えていた人たちは多いだろうが、我々はそうはしなかった。W13には、気に入らない点はあったが、それとともにたくさんの良さがあったと考えている」とエリオットは語った。

「W14は、その良さを引き継いて前進させ、W13で出た問題を修正することを心がけて作ったマシンだ。そこからは、できるだけ早く、できるだけ大きな進歩を遂げることが重要だ。そうでなければ、F1では真の向上は果たせない。学習しそれをパフォーマンスに変えていくことで、向上が得られるのだ」

「この世代のマシンでは、詳細な部分がパフォーマンスに影響してくる。その多くはフロアにあり、ファンの目からはあまり見えない部分だ。W14を見ると、W13のDNAを受け継ぎながらも、多くの進化とディテールの改良がなされていることが分かる」

「そのことに驚く人もいるかもしれないが、我々が行ったすべてのテストにおいて、このコンセプトから離れる理由は見当たらなかった。昨年の問題、特にバウンシングの問題は、マシンのジオメトリーによるものではなかったのだ」

「全体として、W13のDNAを受け継ぎつつ、大きな進化を遂げ、細部の改良を重ねたマシンであることが分かるだろう。変更したディテールとその理由をすべて説明するなら、どれほど膨大な量の作業がこのマシンに費やされたのかが伝わるはずだ」

メルセデスF1の2023年型マシン『W14』
メルセデスF1の2023年型マシン『W14』

 一方、チーム代表トト・ウォルフは、2023年シーズン中のアップデートによって、サイドポッドのデザインを変更する可能性があると語っている。

「このスポーツでは、大胆であることが重要だ」と、新車発表会の記者会見においてウォルフが語ったと『The Race』が伝えた。

「(昨年)優れたパフォーマンスを発揮できなかった基本的な原因は、この細いサイドポッドデザインにあるとは考えていない」

「我々のコンセプトにまずい部分はない。ただ、他の者のアイデアに従いたくはないということもない。スリムなサイドポッドを維持したが、これから開発を続けていき、アップグレードを入れる際に、サイドポッドが変更される可能性がある。すぐにではないが、我々は今、ソリューションを探っている」

「ただし、(このサイドポッドが)パフォーマンスの基本的な部分だとは考えていない」

 ウォルフによると、今回発表したマシンのサイドポッドは「最初のバージョン」であり、最初の数戦のなかで変更が加えられる可能性があるのだという。

「マイク(・エリオット)が述べたとおり、コンセプトを完全に変えれば、1ステップどころか2ステップも3ステップも後退することになる。そのため、我々は変更しなかった。だが自分たちが大胆であり、大胆であり続けることをうれしく思う。我々は、科学が示すことに従っているのだ」

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