メルセデスF1、デ・フリースを引き止めることはできなかったと認めるも「手放したことを後悔するかも」と惜しむ
ニック・デ・フリースのF1における輝かしい可能性を考えれば、彼をレッドブルに行かせてしまったことをメルセデスは後悔するだろうと、トラックサイドエンジニアリングディレクターのアンドリュー・ショブリンは述べている。
デ・フリースは昨年9月にモンツァで行われたイタリアGPでF1デビューを飾り、このチャンスを最大限に活用した。メルセデスのリザーブドライバーだったデ・フリースは、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)の急病のため代役を務めることになったのだ。
デ・フリースはミスのないレースをして9位という立派な結果を出し、すぐにパドックで話題になった。多くの人々が、メルセデスがウイリアムズと契約して2023年のウイリアムズのシートをデ・フリースに与えるだろうと考えていたが、ウイリアムズは最終的に2台目のマシンを同じく新人のローガン・サージェントに託することを決めた。
マックス・フェルスタッペンとデ・フリースのキャリアを記録した『Max & Nyck』というタイトルの新刊本のなかでショブリンは、メルセデスがデ・フリースを最大のライバルに放出したことを自責するようになるまで、そう長くはかからないかもしれないと認めている。
「適切なチームにいて適切なマシンを与えられていたら、ニックがレースで優勝できることに疑いの余地はない」とショブリンはコメントした。
「世界チャンピオンになれるかどうかは彼次第だ。彼の年齢からするとそれを達成できる時間は少ないが、経験で補うことができるだろう」
「我々は、ニックにメルセデスのシートを与えられない場合、彼は最善の選択肢を選べるということで合意していた。我々は彼を手放したことを後悔するかもしれない。それほど時間が経たないうちにレッドブルのファクトリーチームにいる彼とレースをすることになっても私は驚かない。それが今後12カ月ほどで実現したとしてもまったく驚かないだろう」
ショブリンは、デ・フリースをメルセデスのリザーブドライバーに留めておくことは、デ・フリースのF1キャリアにとってプラスにならなかっただろうと認めた。しかしながら、デ・フリースにはどこかの時点でメルセデスの将来が待ち受けていたかもしれないと語った。
「彼は我々のチームに非常によく馴染んでいたが、引き止めるようなことはできない。我々にとって彼は理想的なテスト兼リザーブドライバーだった」
「もし彼を留めておいて、必要に応じて使えるのだったらそうしただろうが、そうしてはドライバーが夢を追いかけるのを妨げることになってしまう」
「フォーミュラEのタイトルを獲得した彼は、メルセデスのブランドにとって大きな意味を持ち合わせていたし、リザーブドライバーとしても非常に優れていた。彼のことをさらに助けたいと思ったのはそれが理由だ」
「これは将来にとっても重要なことだった。ニックがこのチームに戻ってきたいと思うかどうかは、我々が長年にわたってどれだけ彼にフェアに接してきたかということに左右されるだろう。ニックが将来のどこかで、メルセデスをドライブしないなどということは言えないだろう」
ショブリンは、レッドブルが進み出てデ・フリースにアルファタウリの契約をオファーしたことに驚かなかったという。しかしショブリンは、デ・フリースにさらに多くのオファーが来なかったという事実に戸惑いはしたが、それでも彼にはその理由がわかっているという。
「奇妙だと思ったのは、彼との契約をめぐってもっと多くの争いが起きなかったということだ」
「レッドブルだけが、純粋に能力だけで判断を下した。彼が他のチームのシートを取れなかったのは、政治的な要素があったのだと思う」
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