フェラーリは”Bスペック”マシン導入の予定はナシ「正しい方向に進んでいるという実感がある」

 

 フェラーリは、シャルル・ルクレールがすでに2戦リタイアしたこともあって、開幕3レースを終えて26ポイント獲得に留まっている。これはレギュレーションが大きく変わって苦戦した、2009年以来の低調なスタートだ。
 レッドブルと比較してパフォーマンスが低いことから、ドライバーのカルロス・サインツJr.はオーストラリアGPで、方向転換が必要だと指摘した。
「今のところレッドブルはあらゆる面で優れている」とサインツJr.は話した。
「予選でもレースでも、ストレートでもだ」
「中低速コーナーやタイヤマネジメント、縁石やバンプに乗った時も(レッドブルが)優れているんだ。これは僕たちが何かを変える必要があることを明確に示している」
「まったく違うものをチェックする必要がある。昨シーズンのスタートが非常によかったからこそ、このコンセプト、このクルマのプロジェクトにこだわり続けることができたと思う」
「でも今、レッドブルがあらゆるところで明確なアドバンテージを持っていることに気づき、僕たちは右にも左にも目を向け始める必要がある」
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 ここ数週間、フェラーリがサイドポンツーンのコンセプト変更など、急進的な変化に乗り出す準備ができているという噂があったが、チーム代表のフレデリック・バスールはそのような動きを否定している。
 バスールは、Bスペックと呼ばれるほど急激な変化をもたらすのではなく、今後数ヵ月の間に3段階のアップグレードを行なう計画を立てており、これが違いを生み出すのに十分であることを望んでいるという。
 コンセプト変更をする可能性があるかという質問に対し、バスールはmotorsport.comに次のように答えた。
「いや、それはないと思う」
「ダウンフォースレベルに合わせたエアロパッケージがあるため、バクーやマイアミ、モナコではなく、イモラとバルセロナに向けたアップデートの流れがある。それらのレースで、クルマのアップデートを行なうことになる」
「我々はプランに忠実だ。バランスと挙動の面で調整を行なって、メルボルンではかなり良くなったし、この方向で進めていく」
「それは”Bカー”ではない。そう表現したいのであればね。まったく違うものを用意してくることはない。我々はこれ(今のマシン)をアップデートし続け、大幅な改善を試みるだろう」
 バスールは、予算制限と空力開発制限の両面でチームには制約があるため、この時期にコンセプトを変更するのはあまりにも厳しい作業だと説明した。
「シーズン中に新しいプロジェクトを立ち上げ、ゼロから新しいクルマを作るのは、予算と風洞時間の制約を考えると、不可能とは言いたくないが、非常に難しいことだ」
「我々としても、正しい方向に進んでいるという実感があるし、そうであって欲しいと願っている。そしてクルマにはまだまだ改善の余地がたくさんあるんだ」
「ダウンフォースを得るためにクルマを開発し、より良いバランス、より良い安定性を得るためにエアロを開発することができる限り、この方向に進むことは理に適っていると思う」
 ライバルチームの中には、すでに今季中のコンセプト変更を計画しているチームがいくつかある。メルセデスとマクラーレンはすでにBスペックマシンの導入する計画を明らかにしているのだ。彼らは今のマシンの問題点を開幕前から認識し、動き始めていたことが分かっている。
 しかしフェラーリにとっては現状、ゼロからスタートするよりも、アップデートの導入を加速することが好ましい対応だとバスール代表は言うのだ。
「開発計画は、シーズン前に必ず立てているものだ。そして状況とクルマの競争力、クルマの挙動に応じて対応する必要があるんだ。我々は非常に迅速に対応した」
「メルボルンでは良いアップデートができたし、これからもそれを続けていく。我々にできるのはこのプロセスを加速させるためにプッシュすることであり、おそらくバランスなどの面で少し違った方向性を取ることだろう」
「3レースが終わったところでプランを大きく変えて、『よし、別の方向に行こう』と言うことはできない」
 一方でもし状況が改善されなければ、2024年のマシンにおいては別の道を歩む必要があるかもしれないと、バスールは認めている。
「問題は予算制限なんだ。キャリーオーバーをしたいのかどうかということだ」
「ギヤボックスやモノコックのような大きなパーツなど、どれを別のシーズンに引き継ぎたいのか? それは予算制限と一緒に管理しなければならない問題だ」
「開発戦略では、いいアップデートができると思う。このまま継続的に改良していくのか、改良の余地があるのか、もっと大規模に方向転換しなければならないのか、シーズン後半になればわかるだろう。それはもっと後に分かることなんだ」
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