【動画】レッドブルF1とフェルスタッペンがサーキット1周の“瞬き回数”を検証。驚きの結果が判明

 

 F1ドライバーたちは、最高速度300km/hオーバーという驚異的なスピード領域でマシンをコントロールすることが求められる。おそらく彼ら以上に『瞬き(まばたき)をする暇もない』という言葉を身を持って知る人はいないだろう。では実際のところ、彼らはいったいいつ瞬きをしているのだろうか。レッドブルがマックス・フェルスタッペンとともに検証を行った。

 実験では、フェルスタッペンがシミュレーターでバーレーン・インターナショナル・サーキットを1周する間に、何回瞬きをしたのかが計測される。アタック中はシミュレータードライバーのセバスチャン・ジョブによるコース解説が付けられ、フェルスタッペンのペダルワークを撮影するためのカメラも設置。さらに彼の目元を映した『瞬きカメラ』の映像も準備された。

 結果は驚くべきものだった。1周のアタックを終える1分30秒の間に、彼が目をつむったのはわずか4回。一般的に人間は3秒に1回は瞬きしていると言われているため、これは極めて少ない数だ。

 そして『瞬きカメラ』の映像を注意深く見てみると、さらなる事実が判明する。フェルスタッペンは確かに4回瞬きをしているのだが、それはすべてストレートの途中だった。彼はコーナリング時やブレーキング中には必ず目を開いてモニターを注視していたのだ。

 おそらくこれは偶然ではない。人間が1回瞬きをすると、約0.3秒に渡って視覚からの情報が失われると言われている。仮にストレートエンドに時速300km/hでさしかかっているときにこれを行うと、ドライバーはこの0.3秒の間に約25mも進んでしまう。これでは正確にブレーキングポイントを捉えることはできない。おそらくフェルスタッペンは無意識にそうなるのを避けて、比較的余裕のあるストレートの中盤で瞬きをしているのだ。

『一瞬』や『瞬く間』のように、瞬きは極めて短い間を例える意味でも使われる。しかし、1000分の1秒を争うF1ドライバーにとって0.3秒は決して『一瞬』ではない。F1ドライバーがいかに常人離れした身体能力を持っているかは、瞬きひとつからも見えてくるのだ。

■Does Max Verstappen ever blink? | Oracle Virtual Laps at BahrainGP

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