大波乱のスーパーGT開幕戦岡山、天候不良で途中終了も規定によりフルポイントが付与。当初のレース距離の75%以上を“完了”
天候が目まぐるしく変化したことによって、赤旗が3回も振られるという大波乱の展開となったスーパーGT開幕戦岡山。82周で予定されていたレースは、63周回目を走行中に3度目の赤旗が振られ、そのまま終了となったため、各ドライバー・チームにはフルポイントが付与されるのか、それともハーフポイントになるのか、情報が錯綜していた。
しかし、スーパーGTの公式サイトを確認すると、各者にフルポイントが与えられていることが確認できる。
今回のポイント付与に関して混乱が生じたのは、レース終了がハーフポイントかフルポイントかの分かれ目となる、レース距離“75%”付近で終了したため。レギュレーションの解釈については様々な意見が飛び交ったが、レースの中断・再開やシリーズポイントについて記載された当該のレギュレーション条文を確認すると、今回の状況がフルポイントに値すると解釈することができる。
まずは、以下がハーフポイント、もしくはフルポイントになる条件について記載された、スポーティングレギュレーション第7条「シリーズ得点」の3項「不可抗力によるレース中止、レース終了の取り扱い」の(2)、(3)の条文だ。
(2)先頭競技車両が2周回を完了し、かつ走行距離が当初のレース距離、もしくは当初レース時間の75%未満でレースが中止・終了した場合、レースは成立し各決勝レースのシリーズ得点の半分が与えられる。
(3)先頭競技車両が当初のレース距離、もしくは当初のレース時間の75%以上を完了した後にレースが中止・終了した場合、レースは成立し各決勝レースのシリーズ得点はすべて与えられる。
当初のレース距離は82周(303.646km)。その内62周(229.586km)を完了すれば、75.6%消化……フルポイントの条件を満たすことになる。
これらを踏まえてレースの状況を振り返る。レースはセーフティカー(SC)ランで61周目を走行中、赤旗が提示。各車はホームストレート上で整列して停車した。その後再開が宣言されると、各車はSC先導の下で62周目に入り、その後先頭車両がコントロールラインを通過して63周目に突入。そして先頭車両がバックストレート〜ヘアピンを通過する辺りのタイミングで再度赤旗が出され、この赤旗をもってレース終了となることが宣言された。
ただ、その後発表されたレースの正式結果では61周終了時点の順位が採用されていたため、これを75%消化とみなすかどうかについてSNS上でも様々な議論が散見された。しかし、第37条「レースの中断及びレースの再開」の2項「レースの再開」にはこんな条文もある。
レースが再開できなかった場合は、レースは中断の合図が出された時点の先頭車両が完了した周回の1つ前の周回が終了した時点の結果が採用される。
つまり言い換えるならば、今回レースリザルトが採用されるのは61周終了時の順位ではあるが、レース自体は62周を“完了”しているとも解釈できる。そうなると、当初のレース距離の75%は確実に完了しており、フルポイント付与はレギュレーションに則ったものだと言える。
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