マクラーレンと決別したパロウ。F1へのドアを完全には閉ざさずも「F1のためにどんな犠牲も払うということはない」
NTTインディカー・シリーズで2023年シーズンのタイトルを獲得したばかりのアレックス・パロウは、F1への扉を閉じてはないが、いつの日かモータースポーツの最高峰に加わるチャンスは、今ではほとんどなくなったと認めている。
先週末の第16戦ポートランドで、あと1レースを残してインディカーでの2度目のタイトルを獲得したパロウは、F1のテストプログラムを行ったマクラーレンと決別した。パロウはマクラーレンとの関わりから2022年のF1アメリカGPでチームのFP1走行に起用され、2024年にはアロウ・マクラーレンSPへ移籍することになっていた。
しかし先月、パロウは突然マクラーレンとの契約上の義務を破った。そのためマクラーレンは、パロウに対して法的手続きを開始した。マクラーレン・レーシングCEOのザク・ブラウンによると、パロウは契約の一環として2024年の報酬の前払金をマクラーレンから受け取っていたという。両当事者が意見の相違を解決して裁判沙汰にせず和解するのか、それとも訴訟が進められるのかは、時間が経たなければわからないだろう。しかしパロウはその後、インディカーにさらに1シーズン参戦する契約をチップ・ガナッシ・レーシングと結んでいる。
「僕はメディアやソーシャルメディアからは距離を取っているので、コース外で起きていることにほとんど気を取られていないから、昨年とはちがって100%の力を出し続けることができる」とパロウは『SoyMotor.com』に語った。
「混乱しているが、僕たちにあった選択肢となかった選択肢について、いつの日か内部から日を追って段階的に説明できるようになることを願っている。でも、僕たちにはインディカーで求められる最高のツールがあることははっきりしている」
パロウは、2021年にインディカーで初タイトルを獲得した後、マクラーレンからドライバー育成プログラムのオファーを受けた。しかし26歳のパロウは、マクラーレンからF1に参戦するチャンスが来る兆しがなかったために、彼らとのコラボレーションが行き詰まったと語った。
「タイトルを獲得した後に、F1マシンのテストとマクラーレンの一員になるチャンスを得たという2021年の出来事を考えると、それは僕がF1のことを完全に忘れていなかったことの表れだったと思う」
「僕は常に言ってきたけれど、F1は唯一の焦点ではないし、F1のためにすべてを諦めてどんな犠牲も払うということはない。でも同時にF1が、大規模チームとブランドを擁するモータースポーツの頂点であることはわかっている。もちろんその一員になりたいとは思うけれど、それはよい選択肢があればの話で、何が何でもということではない」
「アメリカでのチャンスは素晴らしいものなので諦めたくない。僕たちは努力したし、マシンに乗っていい仕事をしたと思うけれど、チャンスはなかった。自分としては他にできることはなかった。他のチャンスが来るとは思えない。僕はF1界に入るには年を取りすぎているからね」
パロウはF1への扉を完全に閉ざしたわけではないが、その扉がノックされる機会は少ないだろうと認めている。
「僕たちは待つし、インディカーでできる限り勝ち続ける。そしてチャンスが来たら歓迎するだろう。チャンスが来なければそれでもいい。インディカーで優勝とタイトルを獲得する努力を続けるよ」
「ドアが閉まっているということはない。でも来年27歳になるが、さらに2年待たなければならないということになると、21歳の時とは状況が違ってくる。ドアが100%閉ざされているとは思わないけれど、僕は待っているわけでもない。その瞬間が過ぎ去ったかもしれないことはわかっている。2021年と今年もチャンスが来なければ、このようなシーズンを繰り返すのは難しいだろう」
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