フェラーリ、フィオラノ・サーキットに隣接する遊休地に太陽光発電所を創設

 

 フェラーリは5月2日、新たな太陽光発電所の創設に関し、イタリアのエネルギー企業エネルエックス社との契約締結を発表した。フィオラノ・サーキットに隣接するフェラーリ所有の10,000m²の遊休地に創設される『フィオラノ太陽光発電所』が発電した電力は、フィオラノとマラネロの町に設立する新たな再生可能エネルギー共同体(REC)である『フェラーリ・エナジー・コミュニティ』に供給される。

『フィオラノ太陽光発電所』では、2023年12月までに1818枚の太陽光パネルからなる、約1MWpの太陽光発電システムを設置する計画だ。電力供給先の『フェラーリ・エナジー・コミュニティ』は、フェラーリの地元・フィオラノとマラネロ地域に貢献するべく、フェラーリが立ち上げたイタリア初のRECとなる。

 フィオラノとマラネロの公共機関、民間団体であれば、誰でも『フェラーリ・エナジー・コミュニティ』のメンバーになることができ、加入したすべての市民、公共機関、商業施設、工場が、フィオラノ太陽光発電所の発電した再生可能エネルギーを利用できるようになる。

 発電は、エネルエックス社の再生可能エネルギー・ソリューションを採用し、1軸追尾式で両面発電の超高性能ソーラーパネルを使用。環境面では、「地産地消」の再生可能エネルギーを共同利用することで、CO2排出量を削減。また、送電によるエネルギーのロスを避けられるとしている。なお、フィオラノ太陽光発電所では、20年にわたって平均約1500MWhの発電を行い、年間約450トンのCO2排出を回避できると見込んでいる。

 フェラーリ社のベネデット・ヴィーニャCEOは、「サステナビリティは私たちの優先課題のひとつだ。私たちは、2030年までのカーボンニュートラル達成を目指すだけでなく、より大きな変化を起こす触媒の役割を果たしたいと考えている」とコメント。

「フェラーリ・エナジー・コミュニティは、地元企業と地域社会との相乗効果の可能性を具体的に示す好例であり、イタリアのエネルギーシステムに重要な利益をもたらすモデルケースだ。その拡張性と再現性から、市民や企業のエネルギーコストを削減しながら、脱炭素化のプロセスを加速させる後押しとなるだろう」

 また、フェラーリは2022年にマラネロの本社工場に1MWの燃料電池発電プラント、450kWpの太陽光発電システムを設置するといった取り組みを実施し、製造工程におけるエネルギー消費量を1台あたり約5%削減することができたとしている。

■フィオラノ太陽光発電所 技術仕様
敷地面積:10000m²
太陽光パネル枚数:両面発電パネル1818枚、1枚の発電量550W
年間平均発電量:1500MWh(20年間)
CO2排出削減量:年間約450トン

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