今週末のモナコGPでは史上初めてF1側がテレビ中継を担当。2年前にはバトル中の場面切り替えで苦情も
F1は2023年F1第7戦モナコGPにおいて、この象徴的なイベントの長い歴史のなかで初めてテレビ中継を担当する。
各グランプリは地元放送局が担当する、という古いビジネス習慣を引き継ぎ、これまでモナコGPの世界中継は地元局の『Tele Monte Carlo』が提供していた。1990年代には、無料放送局の『ITV』がイギリス、『RTL』がドイツ、『Rai』がイタリアのグランプリを中継していた。これにより地元主催者は、母国のドライバーをより重点的に映すことができた。
近年では、F1がイギリスのビギン・ヒルに独自の放送施設を展開している。これは当初は1996年に開設された、マルチビューサービスを強化して提供する『F1 Digital+』に向けた施設だった。一方で地元放送局のカメラ台数は制限された。
そこからF1は世界へ向けた中継の実施を内部で一元化し、どのレースウイークであれファンが一貫性のある放送を見ることができるように、地元放送局の主導権を排除した。
『Sky Sports F1』のような地元放送局は、今も特集や分析などの番組を国内市場を対象に提供している。イギリスの放送は、他の国際市場でも共有されることがよくある。
日本GPは、フジテレビとの取り決めが2011年に終了し、地元の主導権を放棄したレースになった。例外はモナコで、テレビ放送権を今後も地元放送局に与えるよう、F1会場としての優位性を利用して主張してきた。
しかし年間のF1カレンダーにあるすべての会場が強いプレッシャーにさらされているなか、F1開催を確実に継続するためには、モナコも今では列に並んで主導権を放棄することを余儀なくされた。イギリスの『Mirror』紙と『Motorsport Broadcasting』によると、モナコのレースが他のレースに比べテレビで素人っぽく見えるという近年寄せられている苦情を受け、今年はF1が放送を引き継ぐことになった。
F1と『Sky Sports』が他の21戦で経験を積んでいるということは、1年にたった1回の週末をカバーする地元局と比較すると、洗練されたプロフェッショナルな番組を提供できるということだ。
2021年にモナコは、ボー・リバージュからマスネにかけて繰り広げられたセバスチャン・ベッテルとピエール・ガスリーのスリリングなバトルを、スイミングプールでランス・ストロールがワイドになる場面に切り替えたことで批判された。視聴者は、ディレクターが見せるべき最高のアクションを選ぶにあたってF1を十分に理解していないため、今こそはるかに経験と知識を備えたチームを連れてくる時だと主張した。
この変更により、F1がカレンダー上のすべてのレースの放送を直接担当することになるが、これはチャンピオンシップの歴史において史上初めてのことだ。つまり、カメラアングルは新たに改善され、モナコでのマシンスピードとコースでのアクションがよりスリリングに見せられるようになるはずだ。
そしてモナコ自動車クラブ(ACM)が、昨年新たに3年間の契約を締結し、毎年5月にレースを開催する契約を延長したことで、F1は少なくとも2025年までは確実にモナコに戻ることも保証された。
第6戦エミリア・ロマーニャGPが中止になったため、各チームは洪水に見舞われたイモラのパドックから装備とマシンを荷造りし、すでに南フランスに向かっている。
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