【角田裕毅F1第7戦分析】雨のなか入賞圏内を走行も、トラブルで失速。温度が上がらずブレーキが効かない状態に
2023年F1第7戦モナコGPの後半、雨が降り出し、ミディアムタイヤからインターミディエイトタイヤに交換しても、なお9番手を走行していた角田裕毅(アルファタウリ)。しかし、徐々にペースが落ち、67周目にランド・ノリス(マクラーレン)にオーバーテイクされて10番手に落ちると、その翌周には3台に立て続けに抜かれて13番手まで脱落。最終的に15位でチェッカーフラッグを受けた。
レース後、角田は失速の原因は「ブレーキトラブル」だったと明かした。
何が原因で角田はブレーキに問題を抱えたのか。角田はその症状を次のように説明した。
「ブレーキの温度が上がらず、まったく効かない状態になりました」
同じような問題は、前日の予選でも発生しており、このときは「ウォームアップラップを1周増やす」ことで、なんとか問題がひどくならないように対処していた。しかし、この日は雨が降り出していたため、前日に抱えていた症状がより顕著に現れたのかもしれない。
もうひとつ考えられるのは、ブレーキの根本的な問題だ。というのも、アルファタウリは日曜日のレース前までに角田のフロントブレーキのパーツを国際自動車連盟(FIA)に申請したうえで、ペナルティなしで交換している。
ペナルティなしで交換できるということは、そのパーツと同じスペックのパーツだったことなる。つまり、今回の角田のブレーキトラブルは交換したパーツ以外の部分の不具合か、あるいは交換したパーツを含めたブレーキシステムの根本的な問題という可能性が考えられる。
そして、最後の可能性が、アクシデントだ。じつは角田はレース中に鳩と衝突している。角田にその件を尋ねると、こう答えた。
「なんか、当たったのは覚えていますが、それが原因かどうはわからないです」
ただ、角田の今回のブレーキトラブルは「ブレーキの温度がなかなか上がらない」(角田)という問題で、もし衝突した鳩の残骸がブレーキダクトに入っていたとしたら、むしろ冷却機能が損なわれて、オーバーヒートしていたはず。また、衝突したのはインターミディエイトタイヤに履き替えるかなり前の周だったので、鳩との衝突が原因とは考えにくい。
いったい何が原因だったのか。その答えは、5日後から開幕する次戦スペインGPまでに究明し、対策を講じなければならない。
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