「マルケスのクラッシュ後は、正直怖かった」中上貴晶、ホンダMotoGPマシンが抱える“不安定さ”に限界示唆

 

 ホンダ陣営で唯一MotoGP第7戦ドイツGPの決勝に出走した中上貴晶(LCRホンダ)は、マシンを走らせるのが「怖かった」と語っている。
 ドイツGPはジョアン・ミル(レプソル・ホンダ)とアレックス・リンス(LCRホンダ)が負傷欠場中のため、ホンダ陣営はマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)と中上の2人体制での参戦だった。
 しかしマルケスは決勝日朝のウォームアップセッションでハイサイドを喫して転倒。これによって左手親指に小さな骨折を負ってしまい、レース欠場という判断を下した。
 マルケスはレース欠場を決めた理由について「レースをする準備ができていない」とコメント。レースウィークを通じて5度もの転倒を重ねた後の発言ということもあり、現在のホンダRC213Vが抱える問題の深さを伺わせた。
 そのため中上はホンダ陣営として、ただ1人ドイツGPの決勝に出場することになった。14位でレースを終えた中上は、前述のマルケスのウォームアップ中に転倒を後方で目撃していたことから、自分も恐怖を覚えていたと振り返った。
「とてもタフな週末でした」と、中上は言う。
「残念ですがウォームアップのあと、ホンダ勢として唯一のライダーとなってしまいました。僕はマルクの後ろを走っていて、あのクラッシュを目撃しているんです」
「後ろを走っていた僕からすると、彼は変なことはしていませんでした。エイペックスを逃しているわけでもなく、良いコーナリングのように見えました」
「しかし彼はどういうわけかリヤ(のグリップ)を失ったんです。そして大きなハイサイドを喫してしまいました。このクラッシュを目の当たりにして、僕は正直怖かったです。同じバイクですからね。それに僕も何度か同じような経験をしています」
「運のいいことに、僕がハイサイドすることはありませんでした。ですがそれに近いことは何度もあったんです」
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