ニューウェイ、F1カナダGPで“自身が設計したF1マシンの200勝目”を記録「この仕事を本当に愛している」
レッドブルのチーフテクニカルオフィサーであり、おそらくF1界で最も偉大なデザイナーであるエイドリアン・ニューウェイは、まだ製図板の前を離れるつもりはないが、引退へのカウントダウンは事実としてすでに始まっていると述べた。
レッドブル・レーシングはF1第9戦カナダGPでグランプリ100勝目を飾った。マックス・フェルスタッペンがまたしても圧倒的な走りをみせ、F1で通算41勝目を達成し、偉大なアイルトン・セナの記録に並んだ。モントリオールでいつも通りレッドブルのピットウォールに座っていたニューウェイは、チームの大記録達成の喜びに浸っていたが、チーム代表のクリスチャン・ホーナーの指示で、フェルスタッペンとともに表彰台に立ってコンストラクターズトロフィーを受け取ることになった。
レッドブルが年月をかけてここまで強くなった背後には、ニューウェイの果たした大きな役割があったことを思えば、ホーナーが表彰台に立つように促したのは、彼の貢献に対するふさわしく正当な敬意の表れだといえる。また、記録に強い情報筋によると、日曜日の優勝はニューウェイの設計したF1マシンの200勝目にあたるという。
64歳になるニューウェイは、レッドブルのエンジニアリング部門を2006年から率いている。ニューウェイは、1980年にフィッティパルディF1チームに加入してモータースポーツ業界でのキャリアを始めた。そこからの日々を振り返れば、ひと続きの大きな夢を見ているようだとニューウェイは言う。
「ここまで素晴らしいキャリアを過ごしてきた」とニューウェイは『Sky Sports』に語った。
「私の子どもの頃からの夢は、エンジニアリングとモーターレーシングに関わることだった。だからモーターレーシングに初めての職を得て、初めての給料をもらった時は、本当に嬉しかった」
「その夢が叶ったことに比べれば、あとはすべて余録みたいなものだ」
ニューウェイは自身のキャリアで特筆すべき瞬間としてふたつのことを挙げた。ひとつ目はレース初勝利で、これはウイリアムズのナイジェル・マンセルが1991年のメキシコGPで優勝した時に達成された。ふたつ目は、シーズン最終戦まで優勝争いがもつれた時だという。
「キャリアではどれもが特別な瞬間であることは間違いない。けれども、なかでも強烈なのは、メキシコでの初勝利と、優勝争いが最後までもつれた時の記憶だ」
「まさにチャンピオンシップにふさわしい終わり方だと言える。そうした意味では、セバスチャン(・ベッテル)がフェルナンド(・アロンソ)と争った2010年のタイトルと、マックスがルイス(・ハミルトン)と争った2021年のタイトルが記憶に残っている」
ニューウェイは、レッドブルと公表はされていないがある期間の契約を結んでいるとされる。今後については、自身の仕事が必要とされる限り、勤めを続けるつもりだという。だが、すでにキャリアの終盤にさしかかっていることもニューウェイは自覚している。
「ずっとやりたかった仕事に就くことができ、しかも楽しんで仕事ができて、実に恵まれていた。この仕事を本当に愛している」
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