【角田裕毅F1第11戦分析】アップデートでエアロパッケージを一新。違いを実感も、結果に結びつかなかった初日
「おそらく今年、最悪のレースのひとつだったと思います」
角田裕毅(アルファタウリ)は、71周のレースで合計9回もトラックリミット違反を犯し合計20秒のペナルティを受けて、完走したドライバーのなかで最下位となる19位に終わった前戦オーストリアGPをそう表した。
なぜ、オーストリアGPでアルファタウリは遅かったのか。角田は次のように分析する。
「僕たちのクルマはドラッグが大きすぎるので、ストレートラインスピードが遅い。それにダウンフォースも十分じゃない。ダウンフォースを増やすとドラッグも増えてしまう。ドラッグを増やすことなく、ダウンフォースを生む空力が必要です」
オーストリアGPから5日後、アルファタウリはさまざまなアップデートパーツを第11戦イギリスGPの舞台となるシルバーストン・サーキットに投入してきた。チーフレースエンジニアのジョナサン・エドルズによれば、「フロア、ボディワーク、リヤウイング、リヤブレーキダクトを変更し、エアロパッケージを一新した」と言う。
イギリスGP開幕前日の木曜日、角田は「データ上でもシミュレーターでも、かなりいい手応えを感じているので、金曜日にコースで走らせてみて、早くそのパフォーマンスを確認したい」と語っていた。
ところが、フリー走行1回目の角田の順位は16番手。その2時間半後に開始された2回目のフリー走行でも18番手とまったく振るわなかった。
セッションを終えて、ガレージから出てきた角田の表情は冴えなかった。
「(アップデート)の違いは感じてはいるんですけど、いまのところ、それを結果に結び付けられていないかな、というのが正直な感想です」
アルファタウリとコンストラクターズ選手権9位争いをしているウイリアムズもまた、このシルバーストンにアップデートを持ち込んできたが、こちらはフリー走行2回目で3番手と5番手としっかりと結果を出してきた。
「もちろん、本当の序列は明日にならないとわからないですが、だとしても今日の結果を見れば、僕たちがめちゃめちゃ速いということはない。僕たちは中団グループの上位争いを目指してアップデートしてきたのに、いまのところ最下位争いをしている」
そう言って、角田はエンジニアリングルームへ向かった。
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