メルセデスF1、マシンのバウンシング再発について調査「アップグレードが原因ではない」と技術ボス
メルセデスは、F1第13戦ベルギーGPにおいて、マシンのバウンシングが再発したことで苦戦した。今も原因の特定に取り組んでいるものの、マシンのアップグレードによるものではなく、マシンセットアップやサーキット特性によって問題が引き起こされた可能性が高いと考えている。
昨年、激しいバウンシングに悩まされたメルセデスは、今年この問題を大幅に軽減することに成功した。しかしベルギーでは1年前の状態に戻ってしまった。レース直後、チーム代表トト・ウォルフは、この週末に導入したアップデート版パーツが問題を引き起こした可能性を指摘していた。メルセデスはベルギーに、サイドポッド・インレット、コーク/エンジンカバー、フロアボディ、リヤウイングに関連するアップグレードを持ち込んだ。
しかし、ベルギーGPの週末にバウンシングの悪化に見舞われたのはメルセデスだけではなかったと、チーフテクニカルオフィサーのマイク・エリオットは言う。
「この週末、ひどいバウンシングが発生した。ドライバーふたりから報告があり、チームもデータでそれを確認した」とエリオットは、メルセデスが発表した動画の中で語っている。
「他のマシンにもバウンシングが出ていた。原因の一部は、スパのサーキット特性にあると私は考えている。昨年我々は厳しいバウンシングに見舞われたが、他の大部分のチームも同じ状態だった」
「パフォーマンスの面から見ると、バウンシングはドライバーがマシンから最大限のグリップを引き出す能力に影響を与えるため、結果的にマシンパフォーマンスに確実に影響が出た」
「バランスや、適切なブレーキングポイントをとらえる能力に影響する。したがって、この問題について今後取り組んでいく必要がある」
今年のベルギーGPには、スプリントフォーマットが採用され、プラクティスが1回のみだったことに加えて、その金曜FP1がウエットコンディションだったことで、ドライでセットアップを進めることができなかった。
「検討する必要があるのは、スパというサーキットが原因のどの程度を占め、セットアップがどの程度を占めるかということだ」とエリオットは言う。
「ウエットのレースウイークエンドになり、レースを迎えるまで、ドライで周回を重ねることができなかった」
「同時に、アップグレードキットについても詳細にチェックし、アップグレードによってバウンシングが生じたわけではないことを確認する必要がある。だが、現時点では、セットアップ、あるいはサーキット特性による結果であると、我々は考えている」
ベルギーでの金曜予選で、ルイス・ハミルトンは4番手タイムを記録、日曜決勝も4位でフィニッシュした。しかしエリオットは、決勝でのパフォーマンスは予選ほど良くなかったと振り返った。
「我々は、タイヤのデグラデーションの面で優れている傾向にあり、予選よりもレースの方がはるかにパフォーマンスが良いことが多いので、今回の状況は珍しいことだ」
「週末全体を振り返ると、複雑なコンディションで、路面が徐々に乾いていったことで、予選ではペースが1周ごとに変化した」
「また、セッションごとに使用するタイヤが異なっていたので、予選の終わりに向けて完璧な状態に近づいていくというよりも、ドライバーがマシンからどれだけ力を引き出せるかが重要だったと思う」
「我々のドライバーはふたりとも、週末をうまく乗り切り、必要なタイミングで良いラップを刻み、素晴らしい仕事をしてくれた」
「レースペースについては、すべてデグラデーションの問題だ。デグラデーションを良い状態にするためには、バランスを正確に理想的な状態に収める必要がある」
「今回の週末、我々はトップグループには入れなかった。プラクティスにおいてドライコンディションで走行することができず、マシンのセットアップを望む状態に持っていくための機会が不足していたことがもたらした結果だ。それによって、相対的に見て、バランスがあまり良くないマシンで走ることになった。ライバルたちと比べると、マシンバランスが良くなかった」
「その結果、我々のマシンはタイヤのデグラデーションが激しくなり、期待していたようなレースペースをマシンから引き出すことができなかった」
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