アレイシ・エスパルガロ、最終ラップでのイギリスGP逆転優勝も“転倒ギリギリ”。アプリリアの空力アプデが勝利の鍵?

 

 シルバーストン・サーキットで行なわれたMotoGP第9戦イギリスGP。決勝レースを制したのはアプリリアのアレイシ・エスパルガロだった。そのエスパルガロは、最終ラップにそれまで首位を堅持し続けていたドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤを抜くという劇的な展開を演出したが、その裏では「危うく転倒しかける」瞬間もあったという。 レース終盤、シルバーストンには雨粒が落ち始め、フラッグ・トゥ・フラッグ(ウェットタイヤ装着のバイク乗り換え)が許可された。後方のライダーがマシンの乗り換えを行なう中、上位勢はスリックタイヤのまま、最終ラップのバトルへと突入した。 エスパルガロはバニャイヤの後方にピタリとつけると、高速コーナーのマゴッツ(ターン11)への進入でイン飛び込み、バニャイヤをオーバーテイク。そのまま首位を守りきり、今季初優勝を果たした。 ただエスパルガロは当初、ビレッジ(ターン3)でのオーバーテイクを考えていたという。しかし、ファーム(ターン2)でハイサイドしかけたことで、マゴッツまで機会を伺うこととなったという。「ターン2からターン3にかけてペッコ(バニャイヤの愛称)をオーバーテイクするつもりだった」 エスパルガロはそう振り返る。「でもターン2でペッコのアウト側に回ろうとした時にハイサイドを起こしてしまった」「危うく転倒しかけたし、差をつけられた」「だからギャップを縮めることに集中した。昨年はコース終盤(ウッドコート/ターン8)でペッコの方が僕よりトラクションは弱かったんだ」「そこで大きくタイムを稼いだんだ。最初の右コーナー(コプス)で彼はトラクションを失って、ふたつ目のコーナー(マゴッツ)ではタイヤ右側の温度が高くなって、加速が鈍ることは分かっていた」「だから僕はかなり攻めて、ブレーキングを遅らせたんだ」関連動画:

【動画】アレイシ・エスパルガロ、勝利手繰り寄せた最終ラップの渾身アタック|MotoGPイギリスGP

 エスパルガロはサマーブレイク前のオランダGPで今季初表彰台を獲得。プレシーズンテストでは力強いペースを見せ、2022年の大躍進に続く勝利を目指していたものの、2023年シーズンここまでは野心的すぎたと彼は認めている。「シーズン当初は、自分にもチームにも期待が大きすぎた」とエスパルガロは言う。「僕のミスも多すぎた。アルゼンチンで転倒して、アメリカでも転倒した。ポイントをかなり失ったよ」「スピードはあったし、金曜日やドライセッションではリードするペッコに接近できていたことも多かった」「でもそれは関係ない。日曜日に速くないといけない。何らかの理由で自分たちのスピードと結果を一致させることができなかった」「明らかに、僕らはポイントが少ない。ここでは金曜日も速かったけど、土曜日(のスプリント)は残念ながらウェットタイヤを履いてのウェットレースになった」「とはいえ、自分のパフォーマンスには満足している。決勝ではかなり集中していたし、良いペースもあった。チャンスがあったんだ」 …読み続ける

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