ハースF1、アメリカGPで大規模なアップグレードを導入へ「Bスペックではないが、方向性を大きく変更」

 

 ハースF1チームは、シンガポールGPではポイントを獲得したものの、次の日本GPでは再びVF-23の弱点が露呈し、ケビン・マグヌッセンとニコ・ヒュルケンベルグは苦戦することになった。

 VF-23は、タイヤを驚くほどの早さで摩耗させるという問題点を抱えている。

「僕たちは今年、まずまずのところからスタートしたと思う。しばらくの間はトップ10に入ることができていた。でも年間を通して開発が足りていないことは分かっている」とマグヌッセンは語った。

「他のチームは僕たちよりも大きな改善を果たしている。ウイリアムズは大きな一歩を踏み出したし、マクラーレンは明らかに飛躍を遂げた」

 シンガポールのストリートサーキットはVF-23と相性が良く、マグヌッセンは予選6番手、ヒュルケンベルグは9番手を獲得、マグヌッセンは決勝で10位に入り、1ポイントをつかんだ。マグヌッセンは、次の鈴鹿ではまた元に戻ってしまうのではないかと懸念していたが、彼の予想どおり、ふたりとも苦労し、マグヌッセンは予選15番手から15位、ヒュルケンベルグは予選18番手から14位という結果に終わった。

 現在ハースのドライバーたちは、来月のアメリカGPで投入予定のVF-23の大規模アップデートに期待している。

2023年F1第17戦日本GP ケビン・マグヌッセン(ハース)
2023年F1第17戦日本GP ケビン・マグヌッセン(ハース)

「舞台裏では興味深いことが進んでいて、それを今年のマシンに持ち込めるかもしれない。たくさんのことが進行しているから、楽しみにしているんだ」とマグヌッセンは明かした。

 アップグレードは大規模なものではあるが、Bスペックマシンと呼ぶようなものではないという。

「Bスペックマシンとは呼ばない。サスペンションやギヤボックスには手をつけないからだ」とチーム代表ギュンター・シュタイナーは述べている。

 このアップグレードによって、ハースはレッドブルと類似した設計理念を取ることになるとみられる。

「我々は他のほとんどのチームと同じボディワークのスタイルを採用する。少なくとも7チームが取り入れている。その方向へ進み、多少のコンセプト刷新も始める。それにより現在のコンセプトでは得られなかったパフォーマンスが徐々に得られるだろうと期待している」とシュタイナーは続けた。

「完全にUターンをして、別の方向へ進む必要があったが、それを行った。サマーブレイクの前にそうすることを決めた。オースティンには、大規模なアップグレードを持ち込む。来年進むべき方向に進み、そして今年のうちにできる限りのことを学び、最後の5戦ではある程度のパフォーマンスを発揮するためだ。効果を見る必要があるが、来年の方向性をよりよく理解する必要もある。今のままでは、週末によってマシンがどう機能するか分からないからだ」

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