2024年F1で“ATA”が標準タイヤ配分システムとして採用か。ドライバーからは問題点の指摘も
今季F1の2戦において、ATA(Alternative Tyre Allocation/代替的なタイヤ配分)が導入され、新たなタイヤ配分システムのテストが行われた。グランプリの週末に使用されるタイヤの数を削減するためのこのシステムについて、2024年には標準システムとして、スプリントウイークエンド以外のすべてのグランプリで用いることが検討されている。
現在のレギュレーションでは、各マシンに週末において13セットのスリックタイヤが支給されるが、ATAでは、11セットのみが割り当てられる。予選の各段階でどのコンパウンドを使用するかも規定され、予選Q1ではハード、Q2ではミディアム、Q3ではソフトを使用しなければならない。
マシン1台あたりのタイヤが13セットの代わりに11セットになると、1回の週末あたり160本のタイヤが削減されることになる。タイヤの生産数と輸送量が減ることになり、当然ながらF1のサステナビリティが向上する。
ATAはイモラの週末で初めて導入される予定だったが、洪水のためにエミリア・ロマーニャGPは中止になり、ハンガロリンクとモンツァの2戦で実施された。今年試したこのシステムに調整を加えて、来シーズンには、スプリントイベントを除く通常イベントすべてに使用することが、検討されている。
しかしATAはドライバーの間で広く好評を博しているとは言えない。
「僕にとっては不要だ。実際には何も変わらない」とレッドブルのマックス・フェルスタッペンは述べた。
「どっちみち最速のマシンが先頭に来るし、通常はハード寄りのコンパウンドを履いた最速のマシンは、より一層、強さを発揮するから、後方のチームにとってはさらに厳しい状況になるだろう」
フェラーリのカルロス・サインツは次のように述べている。
「僕は気に入っている。ハード、ミディアム、ソフトに適応してグリップを見つけなければならないところがいい。多少臨機応変に行動する必要があり、Q2とQ3でグリップをどれだけ見つけられるかという問題になる」
「ただ、週末のその他の部分では、もう少し多くのタイヤを使って、もっと走ることができたらいいのにと思う。FP1、FP2、FP3はタイヤの割り当てのせいで少々苦労するかもしれない。新しいタイヤをなるべく多く履いてマシンから学ぶということができないし、ガレージで待機する時間が長くなる可能性がある」
サインツのチームメイトのシャルル・ルクレールは次のように付け加えた。
「僕は特に気に入っているわけではない。Q1、Q2、Q3はいいけれど、フリー走行はよくない。気に入らないね」
ハースのニコ・ヒュルケンベルグは、観客のことを考えれば、走行を制限するような動きは好ましくないと語っている。
「変化に寛容である必要があると思うが、エンターテインメントの面を妥協することはできない。僕たちを見に来てくれるファンのためのコース走行を減らすことはできないと思うんだ。持続可能性の観点からタイヤについて検討する動きは支持するが、チームに制限を与えることなく、現実的に機能させる必要がある」
ピレリのモータースポーツディレクターを務めるマリオ・イゾラは次のように付け加えた。
「私は前向きだ。一部のドライバーが新しい形式に不満を抱いていることは聞いた。しかし、ある程度の微調整をすればうまくいくと考えている」
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