レッドブルF1のニューウェイ「直感に従い、“ゼロポッド”コンセプトにはリソースを割かなかった」
2022年にメルセデスF1が新世代マシンに導入した急進的なゼロサイドポッドの空力コンセプトについて、レッドブルのチーフテクニカルオフィサー、エイドリアン・ニューウェイは、“直感”により、このデザインについて深く研究しないという判断を下したと語った。
グラウンドエフェクトマシンが導入された昨年、3月にバーレーンで行われたプレシーズンテストにメルセデスが持ち込んだW13には、極端にサイドポッドが小さいデザインが採用されており、人々を驚かせた。デザインの背景にある考えは、空気を後方へと効率的に流し、ドラッグを最小限に抑え、ベンチュリ・アンダーフロアの機能を最適化するというものだったが、実際にはメルセデスはパフォーマンス不足に苦しみ続けた。
それでも、少しずつ改善を果たし、最終戦のひとつ前のブラジル/サンパウロGPでジョージ・ラッセルが優勝したものの、昨年メルセデスが挙げた勝利はその1勝のみだった。
ゼロポッドの複雑さと欠陥、特に慢性的にポーパシングを発生させるという問題点は明らかであったが、メルセデスがある程度の改善を見せたため、レッドブルは、このコンセプトについて研究する可能性について検討したというが、結局は、自身のコンセプトに集中することにしたと、ニューウェイは明かした。
「昨年型において、マシンのデザインとコンセプト、そしてサイドポッドについて、ひとつの空力的な方向性を選んだ。それはメルセデスとはほぼ正反対の方向性だった」とニューウェイはF1のポッドキャスト『Beyond the Grid』で語った。
「メルセデスは昨年競争力を垣間見せた。彼らはブラジルで優勝したのだ」
「自分たちが何か見落とした場合に備えて、メルセデス(のコンセプト)を研究すべきか、それともこれまでどおりのことを続けるか、選択を迫られた。そして、直感によって、このまま自分たちがやっていることを続けようと思った」
2022年F1に導入されたテクニカルレギュレーションは、単一のルール変更としては、過去40年間で最大規模のものだったとニューウェイは言う。しかし彼は、当初、グラウンドエフェクトに基づく新たなレギュレーションプラットフォームには制約が多すぎると考え、この刷新に賛成ではなかった。
その後、ルールの分析を進めたニューウェイは、新ルールにおいてマシンのパフォーマンスを最大限に発揮させるためには、マシンの基本のアーキテクチャーを初めに正しく理解することが重要であると考えた。
「ルールブックを読みながら、シャシー、エンジン、ギヤボックスといった一連の固定部分に対し、どこにフロントホイールとリヤホイールを配置するかといったアーキテクチャーを理解することが重要だった」とニューウェイは説明した。
「基礎となるアーキテクチャーは自分たちで決めなければならない。私の場合、アーキテクチャーに重点を置き、その後、フロントとリヤサスペンションへと進んだ。なぜなら、それらは、できるだけ試して、正しく仕上げたい重要な部分だからだ」
「ボディワークをしくじったとしても、ある程度ならシーズン中に変更することができる。だが基礎となるアーキテクチャーを間違えると、少なくとも1シーズンはそのままでいることになる」
レッドブルは2022年にダブルタイトル獲得を達成した後、今年はさらに圧倒的な強さを発揮、コンストラクターズタイトルを日本GPで確定させ、カタールではマックス・フェルスタッペンがドライバーズタイトルを獲得する可能性が高い。
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