ストロール「最近は少し難しい状況にある」アストンマーティンF1代表は“マシンに変更を加えて様子を見る”方針
アストンマーティンF1チームの共同オーナーであるローレンス・ストロールは、息子ランスの困難なシーズンは“不運”の物語だと考えている。しかしチーム代表のマイク・クラックは、ランス・ストロールの苦戦はチームのマシンに施された変更の結果である可能性が高いと述べている。
ストロールのF1での成績はこの数シーズンにわたり低迷しており、注目すべきパフォーマンスはごくまれにしか見られていない。2022年にはセバスチャン・ベッテルに遅れをとっていたが、今年はフェルナンド・アロンソに完敗している。
2023年シーズンの開幕当初は、シーズン開幕直前の自転車事故で負った怪我から回復中だったため、多少の不振は予想されていた。奇妙なことに、シーズン開幕からの数戦では彼とアロンソの差は小さく、予選では常にトップ10に進出し、レースではポイント圏内でフィニッシュしていた。
しかしその後、アロンソはトップグループにいて表彰台獲得が続いたにもかかわらず、ストロールのパフォーマンスは低下した。7月初旬のオーストリアGP以降、アロンソが52ポイントを獲得したのに対し、ストロールはわずか3ポイントしか獲得していない。このポイント不足から、父親のチームにおけるランスの将来について当然の疑問が生じている。
しかしローレンス・ストロールは、息子の今シーズンの苦境はほとんどが不運によるものだと考えている。
「ランスは両手首を骨折して今年最初の6戦を劣勢からスタートした。これは非常に大変なことだったが、本当に勇敢な仕事をした。それに彼には多くの不運が重なった」と『Sky Sports』に語った。
「彼はエンジンや(日本GPでの)リヤウイングの損傷のために9回のリタイアを経験している」
「レースの半分は彼の能力とは何の関係もなかった。残念なことに、ただ多くの不運に見舞われただけだ」
運に恵まれていないことがストロールの成績不振の一因であるかもしれないが、アロンソと比べると彼の絶対的なパフォーマンスが夏半ば以降に下降していることは否定できない。
「確かなことがある」とランス・ストロールはカタールで語った。
「どのマシンにも常に何かがある。でも今年のマシンはとてもいいと思うから、僕は満足している。そしてつい最近になって、少し難しい状況になっている」
クラックは、ストロールの苦戦は、チームがシーズン後半に実施したAMR23の変更に根ざしていると理論立てている。それによりストロールにとってはハンドリング特性、特にマシンのリヤエンドに関することが予測しづらくなっているという。
「まずそのことを証明する必要がある」とクラックは自身の仮定について語った。
「事実として彼は競争力を少し失っている。これは我々が理解する必要があることだ」
「疑惑と兆候があるが、これはランスが言及していることだと思う。しかし今後それに応じた変更を加えて様子を見る必要がある。確認された場合は、そこを改善すれば彼のパフォーマンスも改善する」
アストンマーティンのガレージの反対側ではアロンソがマシンの挙動に非常に満足しているようであることから、ストロールの苦境の解決は複雑になっているが、アロンソのスタイルはAMR23の現在の状態とより相性がいいようだ。
しかしクラックは、ドライバーたちのスタイルの違いがストロールの苦境の主な要因だとは考えていない。
「そうではない。結局のところ、理解するという点では、通常は微細な内容まで完全には見ないものだ」
「我々の場合、困難があれば、通常はより多くのことを学び、正常であるときよりもはるかに詳しく突き止める。それは普通のことだ。その点では、我々は素晴らしい学びを経験することになると思う」
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